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2026-03-12

トランプ氏の屈服と愚行

Launching a War on Iran Was No Act of Courage | Mises Institute [LINK]

【海外記事紹介】2026年3月初旬、トランプ大統領がイスラエルと共同でイランへの大規模な空爆を命じたことを受け、米国内の保守派の政治家や論評家たちは、これを47年間誰も成し遂げられなかった歴史的な決断であり、大統領の「驚くべき勇気」の証であると絶賛しました。ホワイトハウスもまた、これらの称賛の声をまとめた文書を公表し、世界をより安全にするための断固たる行動であったと強調しています。しかし、この記事の著者によれば、この戦争の開始は勇気ある行動などではなく、むしろその正反対であるといいます。

著者は、現代のアメリカが、際限なく膨張し富を使い果たし、紛争を増幅させる「戦争国家」の捕虜になっていると分析しています。その背景には二つの歴史的要因があります。一つは、19世紀末のペンドルトン法以降、選挙で選ばれたわけではない終身雇用の官僚機構が肥大化したことです。これら「シビル・サービス(公務員)」は、国民の利益よりも自らの組織の存続と職務の正当化を優先するようになりました。冷戦が終われば新たな敵を必要とし、スターリン、サダム・フセイン、プーチンといった「悪役」を次々と見つけ出すことで、膨大な国防予算と組織の維持を図ってきたのです。

第二の要因は、この巨大な戦争遂行装置が、資金力のある利害関係者によって「買収」されている点です。兵器産業だけでなく、他国のロビー団体がワシントンのシンクタンクやメディアに巨額の資金を投じ、アメリカの外交政策を自国の利益にかなう方向へ誘導しています。今回のイラン攻撃も、アメリカ国民の利益のためではなく、ロビー活動に長けたイスラエル政府の地政学的利益や、兵器産業の収益、そして自らの必要性を証明したい軍・諜報官僚の思惑に合致した「教科書通りのワシントン外交」に過ぎません。

真に勇気ある指導者とは、この巨大な戦争国家という「沼」を相手に回し、既得権益を打破して平和を実現しようとする人物を指します。トランプ氏はかつてその兆候を見せ、既成勢力からの激しい抵抗に遭いましたが、今回の開戦は彼が結局のところワシントンの体制に屈服し、それを拡大する側に回ったことを示しています。同盟国の利益や兵器産業のために、アメリカ兵の命や世界経済をリスクにさらすことは勇気ではなく、単なる「愚行」であると著者は厳しく批判しています。

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