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2026-03-16

AIは雇用を奪わない

The Robot Won’t Take Your Job. The Government Might | Mises Institute [LINK]

【海外記事紹介】人工知能(AI)の進化が人々の仕事を奪うという懸念が広がっていますが、歴史を振り返れば、私たちはかつての「ラッダイト運動」と同じ過ちを繰り返している可能性があります。1812年、イギリスの織物職人たちは機械が自分たちの仕事を奪うと信じて織機を打ち壊しました。確かに職としての手織りは消えましたが、労働は消滅したわけではありません。代わりに工場や鉄道、都市、そして当時の人々が想像もできなかった新たな産業が生まれ、雇用を吸収していきました。今日、AIがもたらす変化は当時の織機とは比較にならないほど大規模ですが、「恒久的な大量失業が起き、人間の経済的価値がなくなる」という結論は、過去と同じ誤解に基づいています。

19世紀の経済学者ジャン=バティスト・セーは、生産こそが購買力の源泉であると説きました。価値のあるものが生産されれば、それが所得を生み、他の商品への需要を作り出します。例えば、米国の農業従事者はかつての40%から現在は2%未満に減少しましたが、残りの38%の人々が失業したわけではありません。彼らはプログラマーや看護師、パイロットといった、かつては存在しなかった職に就きました。また、ATMが登場した際も銀行窓口係の雇用崩壊が予測されましたが、実際には運営コストの低下によって店舗数が増え、雇用はむしろ数十年にわたって増加しました。人間は、より高度な判断や対人交渉という価値の高い仕事へと移行したのです。

AIが人間に取って代わることができない決定的な要素は「責任」です。市場は単に知的な出力を取引する場所ではなく、責任の所在を割り当てる場所でもあります。外科医や弁護士、起業家は、自らの評判や資本、資格を賭けて判断を下し、失敗すればその代償を負います。AIには失うべき評判も資本もなく、結果に対して責任を負うことができません。この責任を伴う人間関係こそが、経済活動の根幹を支える価値として残り続けます。

真の脅威は自動化そのものではなく、政府による規制を通じた「独占」です。現在、大手IT企業は安全性を名目に、新規参入を阻むような複雑な規制やライセンス制度を構築しようとしています。これは「規制の虜」と呼ばれる現象で、公衆の安全を盾に競合他社を排除し、カルテルを形成する動きです。もし将来的に失業が起きるとすれば、それは機械が有能すぎるからではなく、規制によって人々が機械を自由に利用できなくなることが原因でしょう。私たちが求めるべきは、技術の制限ではなく、職業免許や住宅規制といった移動や適応を妨げる障壁の撤廃、そして誰もがAIを活用できるオープンソース化の促進です。脅威は機械ではなく、その周りに築かれる檻なのです。

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