The Iberian Rebellion Against NATO Imperialism | The Libertarian Institute [LINK]
【海外記事紹介】2026年2月28日、米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦「壮絶な怒り作戦」が開始されました。多くのNATO加盟国が同調する中、スペインのペドロ・サンチェス政権は、自国内のモロン空軍基地とロタ海軍基地の使用を拒否するという、同盟内で異例の決断を下しました。サンチェス首相はこの作戦を、国際法を逸脱した不当で危険な軍事介入であると強く批判し、報復を恐れて自国の価値観や利益に反する行為に加担することはないと断言しました。
スペインのこうした独自路線は、歴史的な背景に根ざしています。かつてのフランコ政権はアラブ諸国との関係を重視し、1948年の建国から長らくイスラエルを国家として承認しませんでした。1986年にようやく外交関係を樹立した後も、パレスチナ問題に関しては一貫して批判的な立場を維持してきました。2023年10月のガザ紛争勃発後、その溝は決定的なものとなり、スペインは2024年にパレスチナを国家承認し、2025年にはイスラエルに対し武器禁輸や軍事契約の破棄を含む包括的な制裁を課しました。
今回の対イラン作戦への協力拒否に対し、米国のトランプ大統領は即座に反発し、スペインとの全貿易の中止を示唆するなど、経済的な圧力を強めています。しかし、サンチェス首相の姿勢は「地理的リアリズム」に基づいた冷静な戦略によるものです。首相は、スペインにとっての脅威はロシアがピレネー山脈を越えて侵攻してくることではないと明言しています。東欧や北欧の国々が直面する安全保障上の課題は、必ずしもスペインの課題とは一致しないという考えです。
この認識の差は、防衛予算にも表れています。スペインはNATOが掲げるGDP比5%という新たな国防費目標を拒否し、社会保障を優先する立場から2.1%に留める方針を維持しています。スペインの事例は、米国の普遍的な外交方針が、必ずしも全加盟国の地政学的・経済的利益と合致しないことを示しています。アラブ世界との歴史的絆や、米国とは異なる脅威認識を持つスペインは、西側の枠組みを完全に放棄することなく、自国の利益を最優先する多極化時代の先駆けとなっています。この「イベリアの反乱」は、単なる政治的ポーズではなく、遠く離れた超大国の思惑よりも自国の実利を重んじる、実利的な選択の結果であると言えます。
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