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2026-03-16

軍事化する北極圏

Militarization of the Arctic: A new arena for US imperial ambition in Cold War Two - Geopolitical Economy Report [LINK]

【海外記事紹介】 かつて国際的な科学調査の協力の場であった北極圏が、急速に軍事化の舞台へと変貌を遂げています。この記事は、トランプ大統領によるグリーンランド併合への意欲や、NATOの拡大、そして中国の商業的関心の高まりを背景に、この地域が「第二の冷戦」の最前線となった現状を分析しています。

トランプ氏は、グリーンランドを米国の影響圏とみなすモンロー主義の延長線上で捉えており、その豊富な鉱物資源と、中国の海上活動を制約できる戦略的要衝としての価値に注目しています。これはデンマークの主権やNATOの結束を揺るがす動きですが、米国の帝国的な野心の表れといえます。また、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟により、ロシアは北側から完全に包囲される形となりました。ロシアと中国の連携が強まる中で、対立の構図は明確化しています。

かつて北極圏の活動は、1920年のスバールバル条約に基づき、軍事利用を排除した学術調査が中心でした。現在、日本や韓国を含む45カ国が締約しており、これら非北極圏国も、気候変動の影響を理由に「近北極国家」としての関与を強めています。日本は2015年に北極政策を策定し、北極海航路の商業利用や資源開発を目指してノルウェーとの連携を深めています。一方、インドはロシアと協力してインフラ整備を進め、韓国は砕氷船建造の拠点として存在感を示しています。

しかし、最も重要なプレイヤーは米国、ロシア、中国の3カ国です。ロシアは北極海航路の支配権を強め、中国と共同で砕氷船の開発や海底ケーブルの敷設を進めています。中国は北極を「氷上のシルクロード」と位置づけ、独自の衛星測位システムを用いたデジタル化を推進しています。これに対し、米国は北極圏を自国の安全保障に直結する「西半球」の枠組みに取り込み、軍事的な優位を確立しようとしています。

2026年2月には、NATO加盟国である北極圏7カ国の軍事力を調整する「アークティック・セントリー」が発足しました。これにより、米国は加盟国の基地への自由なアクセスや兵器の配備が可能になります。ドローン技術などの新しい軍事技術の導入も検討されており、かつて平和的だった北極圏は、米国の野心と大国間の競争が激突する、軍事化された新たな対立の場へと変質しているのです。

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