What if Iran Says No? - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]
【海外記事紹介】アメリカのトランプ政権内では、激化するイランとの紛争を終結させるための出口戦略を模索する動きがあると言われています。ホワイトハウスの一部では、相次ぐ軍事攻撃で打撃を受けたイラン側も停戦を歓迎するはずだという楽観的な予測が立てられています。しかし、こうした計算はイラン側の決意や歴史的な背景、戦略上の必要性を完全に見誤っている危険性があります。もしイランが「ノー」と答えたらどうなるでしょうか。
まず大きな障害となるのは、アメリカに対する信頼の欠如です。2018年の核合意からの不当な離脱に加え、2026年2月28日に起きた奇襲攻撃は、和平交渉の最中に行われました。交渉中に攻撃を仕掛けるという行為は外交上の信頼を根本から破壊するものであり、イラン当局にとってワシントンの言葉はもはや無意味なものとなっています。また、米・イスラエル双方の政権が抱える思想的な背景も妥協を困難にしています。トランプ政権内やイスラエル政府内の強硬な勢力にとって、イランへの譲歩は戦略ではなく「背信」と見なされるからです。
さらに、具体的な交渉条件においても大きな隔たりがあります。イランが真剣に交渉に応じるならば、ペルシャ湾からのアメリカ軍基地の撤退や、制裁の全面的かつ即時の解除を求めるはずです。しかし、これらはアメリカにとって政治的に受け入れがたい「敗北」や「後退」と映るため、合意の余地はほとんどありません。加えて、アメリカやイスラエルに対する賠償請求が行われる可能性を考えれば、事態はさらに複雑になります。
何より重要なのは、イラン国内の感情的、文化的な現実です。イランは報復を誓う「赤旗」を掲げており、殉教に対する正義の追求は宗教的な責務となっています。特に交渉中に攻撃を受けたことへの憤りは凄まじく、現状復帰という安易な解決は不可能です。殺害された最高指導者の息子であるモジタバ氏が新指導者に選出されたことも、アメリカの介入に対する拒絶の意志の表れと言えます。
トランプ政権は事態の制御権を握っていると過信していますが、イランは自国の譲れない一線を持ち、報復の能力と意志を証明してきた戦略的主体です。もしイランがアメリカの提示する出口戦略を拒絶すれば、紛争はより危険で長期的な局面へと突入します。イラン側の誇りや主権、信仰を無視した制裁頼みの戦略は、事態を解決するどころか、世界規模の嵐へと発展させる恐れがあります。
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