【海外動画より】デジタルメディアのホストであるマリオ・ナウファル氏の番組に出演したアリゾナ大学の名誉教授、デビッド・ギブス氏は、緊迫する中東情勢やトランプ大統領の外交政策について、冷静な政治学的見地から分析を行っています。現在、アメリカとイランの間で60日間の停戦延長に向けた合意が近い、あるいはすでに妥結しているとの報道が西側メディアで錯綜していますが、ギブス教授はこれに対して極めて懐疑的な見方を示しています。イランにとって、ホルムズ海峡の統制権は国家の存亡に関わる最大の外交カードであり、明確な長期的合意がないまま、それを一時的であっても放棄することは合理的に考えにくいというのがその理由です。
ギブス教授は、アメリカに対するイラン側の根深い不信感についても言及しています。イランは過去数回にわたりアメリカとの交渉を試みてきましたが、そのたびにアメリカ側から攻撃を受ける結果を招いており、指導者を標榜した暗殺作戦などの歴史的経緯からも、安易な約束に応じる可能性は低いと分析しています。また、米国の政治専門誌が「トランプ氏は明確な戦略なしに私的な理由でイランとの戦争を始め、最終的に敗北の道を歩んでいる」と批判した記事を引き合いに出し、無条件降伏を迫っていたはずのトランプ政権が、今やイラン側の要求を多く受け入れる形で交渉せざるを得なくなっている現状を指摘しました。さらに、イランの準公式メディア「タスニム通信」が、米国との覚書草案が確定したという西側の報道を正式に否定したニュースを紹介し、現時点での合意報道は信憑性が低いとの見解を裏付けています。
この戦争がもたらす現実的な影響として、ギブス教授は世界規模での深刻な経済後退を懸念しています。ホルムズ海峡の緊張が長期化すれば、1970年代のオイルショックを超える大不況や、テクノロジーバブルの崩壊を伴う金融危機が世界を襲う可能性があり、その経済的コストによってアメリカ世論の戦争疲れは決定的なものになると予測します。この危機を通じて、アメリカ国内では「海外での戦争は国民の生活水準を低下させる」という認識が左派だけでなく右派の間でも共有されるようになり、従来のネオコンと呼ばれる軍事介入主義的な外交方針からの根本的な脱却を求める声が強まるのではないかと見ています。
長期的には、アメリカがイスラエルへの過度な資金援助や外交的保護を打ち切り、通常のビジネスライクな二国間関係へと移行せざるを得なくなると教授は予測します。その結果、中東地域ではイランがペルシャ湾の主導権を握る主要な大国として台頭し、安定を望む中国の経済的・政治的影響力が湾岸地域で拡大する可能性が高いとしています。ギブス教授は、明確な勝利戦略を持たないトランプ政権が、これ以上の国力の失墜を避けるために泥沼の膠着状態を維持しつつも、最終的には撤退を余儀なくされ、結果としてアメリカのグローバルな覇権が根本から揺らぐ歴史的な転換点を迎えていると締めくくりました。
IRAN IS NOW A REGIONAL SUPERPOWER – w/ Prof. David Gibbs - YouTube
0 件のコメント:
コメントを投稿