2020-07-23

行為の目的

行為する人間は、選択し、決定し、目的を達成しようとする。同時に二つのものを選べない時、一方を選んで他方をあきらめる。だから行為は、つねに取捨選択を伴う。
Ludwig von Mises, Human Action

人間に行為をさせる誘因は、つねに何らかの不安である。自分の状態にまったく満足なら、物事を変えようという誘因はないだろう。希望も願望もなく、まったく幸福だろう。行為せず、何の悩みもなく生きるだろう。
Ludwig von Mises, Human Action

行為をするためには、不安で、満足な状態を想像できるだけでは十分でない。行動には不安感を除くか、少なくとも軽減する力があると予想できなければならない。この条件が欠ければ、どんな行為も不可能である。人間は必然に従うほかはなく、宿命に屈しなければならない。
Ludwig von Mises, Human Action

人間行為の究極目標は、欲望の満足だ。満足の大小は、各個人の価値判断以外に基準はなく、人によって異なり、同じ人でも時によって異なる。何が不安を感じさせ、軽減させるかは、その人自身の意思と判断で決まる。どうすれば他人を一層幸福にできるかわかる人は、誰もいない。
Ludwig von Mises, Human Action

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