注目の投稿

「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2026-05-03

ペトロダラーの終焉

OPEC Just Signalled a Historic Gold Tailwind [LINK]

【海外記事より】アラブ首長国連邦(UAE)が今週、石油輸出国機構(OPEC)から脱退するという衝撃的な動きを見せました。これは単なる一国の離脱に留まらず、過去50年以上にわたって世界の金融秩序を支えてきた「ペトロダラー体制」、すなわち石油を米ドルのみで取引する仕組みの終焉を告げる歴史的なシグナルと言えます。UAEは今後、米ドル以外の通貨で石油を販売する可能性を示唆しており、これは米ドルの覇権と米国経済の根幹を揺るがす事態に発展しかねません。かつて1974年に結ばれたペトロダラー体制は、世界中に米ドルの需要を作り出し、米国がインフレを国外へ輸出することを可能にしてきました。しかし、その「吸収装置」としての機能が今、音を立てて崩れ始めています。

この変化の背景には、2022年のロシアに対する経済制裁を機に、米国が自国通貨を「武器化」したことへの不信感があります。中東の産油国はもはや、多額の債務を抱え、購買力が低下し続ける米ドルに依存することのリスクを強く意識しています。かつてのような軍事的な保護と引き換えにドルでの決済を強いるモデルは、現在の情勢では説得力を失いつつあります。事実、中国をはじめとする東側の諸国はドルを介さない石油取引を模索しており、UAEがインドに対してルピーで石油を販売し始めたことも、この脱ドル化の流れを象徴しています。世界は今、ドルの覇権に「拒絶」を突きつけているのです。

こうしたドルの衰退と表裏一体の関係にあるのが、金(ゴールド)の重要性の高まりです。世界の中央銀行は、ドルの信頼性が揺らぎ始めた2014年頃から、米国債を売却して金を購入する動きを強めてきました。特に2022年以降、この傾向は加速し、金の保有量は飛躍的に増加しています。かつて大手金融機関は金を「ただの岩」と軽視してきましたが、現在ではドルの武器化や米国の持続不可能な公的債務を背景に、金に対して極めて強気な姿勢に転じています。石油取引の決済手段がドルから金へとシフトしていく可能性は高く、金の希少性と安定した価値保存機能が改めて評価されています。

米ドルという紙の通貨システムが衰退し、インフレや債務危機が深刻化する中で、実物資産である金は歴史的な上昇局面、いわゆる「追い風」の中にあります。ペトロダラーという盾を失った米国経済は、今後、購買力の低下とスタグフレーションという厳しい局面に立たされる可能性が高いでしょう。今回のUAEによるOPEC脱退は、ドルの独占的な支配が終わる「エンドゲーム」への足音が、いよいよ明確に聞こえ始めたことを示唆しています。通貨の信頼が歴史的な転換点を迎える中で、金や銀といった伝統的な資産が再び世界の経済取引の中心へと返り咲こうとしています。

0 件のコメント: