The UAE and the FTC | SchiffGold [LINK]
【海外記事より】米連邦取引委員会(FTC)は、企業間の価格カルテルや不当な共謀は規制によってのみ打破できるという前提に立っています。しかし、最近のアラブ首長国連邦(UAE)による石油輸出国機構(OPEC)からの離脱表明は、いかなる強固な共謀も内部から崩壊する運命にあるという、FTCの前提を覆す有力な証拠となっています。OPECは法的にも国際的にも認められた公然のカルテルであり、長年、加盟国間で生産枠を設けて国際価格を操作してきました。しかし、UAEのように他国よりも圧倒的に低いコストで石油を生産できる国にとって、生産上限を守り続けることは、自国の経済的利益を著しく損なうことを意味していました。
共謀を維持することがいかに困難であるかは、今回のUAEの決断が物語っています。UAEは以前から、自国の低い生産コストを活かして増産したいという強い動機を持っていましたが、最終的な決定打となったのはイランとの戦争でした。戦争中、UAEはイランから多大な攻撃を受けたにもかかわらず、地域の同盟国から十分な支援が得られていないと感じていました。かつて「中東の安全な避難所」として栄えた観光業も大打撃を受け、経済構造の変化を余儀なくされました。結局、イラン戦争はきっかけに過ぎず、根本にはコスト構造の異なる国同士が長期にわたって価格を吊り上げ続けることの限界があったのです。
FTCは、国内企業が不法に価格を固定することを常に警戒していますが、UAEの事例は、たとえ法的強制力のある公的な枠組みであっても、共謀というものは常に自壊するリスクを孕んだ「時限爆弾」であることを示しています。企業は同じコスト構造を持っていても、輸送条件やサービスの質などで他社を出し抜こうとする本能を持っています。ましてや、生産効率に差がある場合、その枠組みを維持することはさらに困難になります。FTCが莫大なリソースを割いてカルテルを摘発しようとしなくても、市場の原理によって、ほぼすべてのカルテルは時間の経過とともに自然消滅してきたのが歴史の教訓です。
この記事の著者は、FTCが特定の業界を共謀の疑いで訴追する前に、共謀という行為そのものが本質的に不安定であることを理解すべきだと主張しています。政府の介入によって維持されている共謀でさえこれほど脆いのであれば、民間の違法な共謀を維持することはそれ以上に困難です。FTCがいつまでも存続しないものに固執して規制を強めるよりも、市場の自己修正能力を信じることが賢明であると説いています。UAEのOPEC離脱は、国家間の強力な結束であっても、個々の経済的利益の前では無力であることを世界に知らしめる結果となりました。
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