注目の投稿

「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2026-05-03

世界に迫る経済混乱

Soon Comes The Mother of All Supply Shocks - Antiwar.com [LINK]

【海外記事より】トランプ政権の対イラン政策と、それが世界経済に及ぼす影響について、元大統領府予算局長のデビッド・ストックマン氏が厳しい見解を示しています。ストックマン氏は、現在の大統領周辺の閣僚たちが、イランとの対立状況をあまりに楽観的に捉えすぎていると指摘しています。特にベッセント財務長官が、米海軍による海上封鎖によってイランの石油生産が間もなく崩壊し、イランが降伏間近であると主張していることに対し、ストックマン氏はデータに基づき真っ向から反論しています。実態としては、イランを追い詰めているはずの封鎖戦略が、逆に世界規模の深刻な供給ショックを引き起こそうとしているというのです。

ストックマン氏の分析によれば、海上封鎖によってイランが経済的に自滅するというシナリオには大きな誤算があります。まず、イランにはすでに引き渡し済みの石油による未回収の売掛金や、公海上で輸送中の在庫が合わせて2億バレルほど存在しており、金額にして200億ドル相当の現金収入が今後数か月間にわたって見込める状態にあります。また、イラン国内の石油貯蔵施設やタンカーを利用した洋上備蓄にはまだ4100万バレル程度の余裕があり、現在の生産ペースを維持したとしても、あと2か月近くは持ちこたえられる計算になります。つまり、トランプ政権が期待するような数日内での白旗という展開は、現実的には考えにくいというのが氏の主張です。

一方で、世界経済への悪影響はすでに深刻な段階に入っています。ホルムズ海峡の封鎖により、世界の海上石油輸送量の約55%に相当する9億バレルもの資源が市場から消えています。たとえ今すぐに和平が成立したとしても、輸送にかかる日数を考慮すれば、欧州やアジアの主要港に新しいタンカーが到着するのは早くても7月以降になります。市場ではすでに異変が起きており、ドバイ原油と米国のWTI原油の価格差は1バレルあたり35ドルという、1990年以来見られなかった異常な水準にまで拡大しています。この価格の歪みは、世界のエネルギー市場がこれまでにないほど不安定な状態にあることを如実に物語っています。

ストックマン氏は、これから数か月の間に、石油や天然ガスだけでなく、肥料やアルミニウムといった石油化学由来の副産物も含めた広範な物資で、深刻な物理的不足と物流の停滞が発生すると予測しています。供給網が寸断されることで、コスト増による生産縮小と、急激な価格高騰が世界を同時に襲うことになります。ストックマン氏は、トランプ大統領が「イランが取引を懇願している」と主張しているのは事実に基づかない虚偽であり、実際にはアメリカがイランを屈服させる前に、世界経済が過去最大の供給ショックによって深刻な機能不全に陥る可能性が高いと結んでいます。私たちは、かつてのオイルショックを凌ぐような経済的混乱の入り口に立っているのかもしれません。

0 件のコメント: