戦争はペテンだ。いつもそうだった。おそらく最も古く、明らかに最も儲かり、間違いなく最も残虐なペテンだ。国家間の規模のペテンは戦争しかない。利益がカネで、損失が命で勘定されるいかがわしい商売は戦争しかない。(元米海兵隊少将、スメドレー・バトラー)
ペテンは、多数の人に見えているものとは違う。少数の「内部」集団だけがその正体を知っている。ごく少数の者の利益のために実行され、そのコストは非常に多くの者がかぶる。戦争ではひと握りの人間が巨大な富を手に入れる。(同)
戦争の結果、国は勝てば新たな領土を手に入れる。ただ手に入れる。この新たな領土をすぐさま搾り取るのは、例の少数の人々である。戦争の流血で金儲けしたのと同じ少数者だ。一般大衆が勘定を払う。(同)
一般大衆が戦争で払う勘定はとんでもないものだ。新しい墓。押しつぶされた体。ずたずたになった精神。破壊された心と故郷。不安定な経済。不況とそれに伴うあらゆる不幸。何世代にも及ぶ重い税。(同)
戦争の重い勘定を払う普通の人にとって、複雑な国際関係にかかわらないほうが、はるかに安上がりだったろう。ごく少数の者にとってこのいかがわしい商売は、裏社会の稼業同様、たっぷり儲かる。しかしその商売のコストはいつも、儲からない大衆に回される。(同)
<邦訳書>
- 『戦争はペテンだ―バトラー将軍にみる沖縄と日米地位協定』(吉田健正著、七つ森書館)に収録
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