Herbert Spencer on the State’s cultivation of “the religion of enmity” to justify its actions (1884)
(英社会学者ハーバート・スペンサーいわく、政府はみずからの行為を正当化するため「憎しみの宗教」を育てる)
社会進化(social evolution)の長い段階を通じ、あらゆる物事の運営上、強力で広範囲にわたる政府権力が必要とされた。それに応じて政府権力への信頼と服従が伴った。大規模な事業は政府の行動によってのみ達成された。
〔政府権力による〕強制的な協力はほんの少しずつ、〔市場経済による〕自発的な協力(voluntary cooperation)に置き換わっていった。それに応じて、政府の能力・権威に対する信頼も弱まっていった。
政府の能力・権威に対する信頼の維持が必要とされるのは、おもに戦争に対する適応力(fitness for war)を保つためである。
政府はみずからに対する信頼と服従のおかげで、攻撃または防御の際、社会のあらゆる力を使うことができる。だから政府への信頼と服従を正当化する政治理論(political theory)はなくならない。
政府に対する信頼と服従という感情や概念は、絶えず平和を脅かす。政府の権威に対する信念は、戦争のため政府に国民への強制力(coercive power)を与えるうえで欠かせない。同時にその信念は、戦争以外の目的にも強制力を与えるのだ。
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