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2026-05-04

欧州、個人資産に牙

Europe Explores Wealth Taxes, Capital Taxes, And Exit Taxes | Armstrong Economics [LINK]

【海外記事より】欧州委員会が、富裕税、資本税、そして最も懸念すべき「出国税」に関する詳細な調査報告書を公開しました。この記事の著者であるマーティン・アームストロング氏は、欧州当局がこれまで「公平性」や「連帯」という言葉の裏に隠してきた本音を、ついに隠さなくなったと指摘しています。報告書では、いかにして個人の富に課税し、所有権を監視し、税逃れを防ぐか、そして何より「資本が域外へ逃げ出すのをいかに阻止するか」が公然と論じられています。これは、欧州各国の政府が政府債務危機の最終局面に突入しつつある中で、個人の資産を封じ込めようとする動きの表れであると著者は警鐘を鳴らしています。

現在、欧州経済は深刻な停滞期にあります。ドイツの製造業は衰退し、過度な環境政策や制裁によるエネルギー価格の高騰が産業を圧迫しています。その結果、欧州の資本は長年にわたって米国へと流出し続けてきました。欧州連合(EU)の当局はこの資本逃避の現状を正確に把握しており、政策の抜本的な改革によって信頼を取り戻すのではなく、物理的に資本を閉じ込める「封じ込め」の戦略に舵を切ったようです。報告書の中では、これまでの富裕税が期待したほどの税収を上げられなかった理由として、富裕層が資産を再編したり、物理的に国外へ移住したりすることを挙げています。これこそが、EUが出国税を重要視している最大の理由です。

出国税とは、個人が国外へ移住したり資産を移転したりする際に、まだ売却していない資産の含み益に対して課税する仕組みであり、実質的な「資産没収メカニズム」として機能します。当局はデジタル化された税務システムや不動産登記、実質的支配者の追跡、さらには国際的な情報共有を通じて、個人の資産を完全に可視化しようとしています。これは単なる税制の議論ではなく、政府債務危機が加速する前に、欧州域内に資本をトラップ(罠)にかけるための準備であると著者は分析しています。歴史を振り返れば、債務危機に直面した政府は、最終的に私有財産の権利を再定義し、資本の移動を制限するという道を常に辿ってきました。

欧州の多くの国々では、年金や医療、国防、そして環境対策などの膨大な支出を賄うための数学的な計算がすでに成り立たなくなっています。政治家たちは、公的な破綻を免れるための解決策として、民間の貯蓄を「収穫」の対象と見なしているようです。こうした課税は当初、超富裕層のみをターゲットにしているように見せかけますが、実際には政府の資金源を確保するために、課税対象の閾値は徐々に引き下げられていくのが通例です。著者は、富裕税や出国税にデジタルIDや中央銀行デジタル通貨(CBDC)が組み合わさることで、監視体制が完成し、一度資本規制が導入されれば逃げ出すことは不可能になると予測しています。欧州の信頼が崩壊し、権威主義的な側面が強まる中で、自身の資産を守るための行動を急ぐべきであると、この記事は締めくくられています。

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