帝国主義はその性格において原始的である。その特質は大昔からあらゆる社会で重要な役割を演じ、今まで生き延びてきた。つまり帝国主義とは現在ではなく、過去の生活状況の産物だ。経済学的な歴史解釈の用語を使うなら、現在ではなく、過去の生産関係が生み出したものである。(経済学者、ヨーゼフ・シュンペーター)
19世紀前半の資本主義諸国では戦争、領土拡張、官僚外交、軍備増強、常備軍に対する徹底的な反対が起こった。その発祥は最初に資本主義国となった英国であり、同国の資本主義の発展とともに勢いを増した。過激な自由主義哲学は経済の自由全般、とりわけ自由貿易と結びついた。(同)
輸入品に対する関税は政治活動の成果であり、資本主義そのものから生まれたものではない。同様に、帝国主義が資本主義の必然的な段階だと述べたり、資本主義が帝国主義に発展すると言ったりするのは基本的な誤りだ。事実、19世紀前半の資本主義諸国は帝国主義を好まなかった。(同)
社会に残る前資本主義の要素は生命力が強い。国民生活の状況次第で時々息を吹き返すかもしれない。しかし最後は現代世界の潮流によって破壊されるに違いない。現代の資本主義の支えは天然資源ではないから、なおさらだ。独占の消滅がいつかはわからないが、それは必ず起こる。(同)
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