2021-08-06

御用知識人の役割


少数が多数を支配し続けるには、暴力だけでは無理だ。世論で支配しなければならない。多数派が進んで支配を受け入れる必要がある。政府は合法だと信じ、ある政策が間違っても、より大きな利益を提供してくれるからと大目に見る。大衆にそう信じさせるには知識人の助けがいる。(経済学者・哲学者、ハンス・ホッペ)

知識人のサービスに対する市場の需要は大きくなく不安定だ。知識人は大衆のつかの間の価値観に翻弄され、大衆は知や哲学に無関心だ。一方、政府は知識人のたいていは過剰に膨らんだエゴに応えることができ、ぬくぬくとして安定した勤め口を政府施設内に用意することができる。(同)

政府を支持する人は哲学的信念からそうしているわけではない。支持する理由は政府が存在し、記憶する限りつねに存在してきたという単なる事実だ。政府に仕える知識人の最大の手柄は、大衆にこの知的怠惰(無能)を植え付け、政府について真剣な議論をさせてこなかったことだ。(同)

政府が道路や学校を提供しているからといって、政府にしかその仕事ができないことにはならない。猿が自転車に乗れるからといって、猿しか乗れないわけではないのと同じだ。政府は税を徴収できるから、生産の効率を上げようとしない。政府の道路や学校は割高で品質が悪くなる。(同)

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