2021-08-07

原爆投下は犯罪である


1956年6月、トルーマン元米大統領がオックスフォード大から名誉学位を受けた際、同大の哲学者でカトリックのエリザベス・アンスコムが抗議した。トルーマンは犯罪者だ。広島・長崎で市民を虐殺した米政府と、チェコやポーランドで村人を皆殺しにしたナチスとどこが違うのか。

命を救うのは賞賛に値することだが、人間の原則と戦争の慣習のすべてに反する手段を正当化することはできない。戦争を早く終わらせ人命を救うという口実でそれが認められたら、思いつく限りのあらゆる残虐行為が正当化されてしまう。(英軍人・軍事思想家、J・F・C・フラー)

米保守思想家リチャード・ウィーバーが嫌悪感を覚えたことに、カンザスやテキサスから出たばかりの若者が軍事施設のない独ドレスデンを破壊し、由緒ある寺院を粉々にし、広島・長崎を原爆で壊滅させた。ウィーバーはこうした残虐行為を文明の基礎に対しきわめて有害と考えた。

米国のマンハッタン計画(原爆開発)に携わった物理学者レオ・シラードは死の数年前、こう述べた。もし米国でなくドイツが都市に原爆を落としていたら、米国はそれを戦争犯罪だと定義し、ニュルンベルク裁判でドイツ人に死刑判決を下し、絞首刑にしたことだろう。

広島・長崎への原爆投下は戦争犯罪である。東京やマニラの国際軍事裁判で処刑された、日本の軍人たちが犯したどの罪よりも重い。もしハリー・トルーマン(元米大統領)が戦争犯罪人でなければ、戦争犯罪人はいなくなってしまうだろう。(歴史家、ラルフ・ライコ)

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