2021-08-14

政府の法と無秩序


慣習法の下では、自然発生的に秩序が生まれる。秩序は各集団が様々な要因のバランスを取り、様々な行動を互いに調整することによって生まれる。このバランスは、行動の一部が他の機関(政府)によって、異なる知識に基づき、異なる目的のために決定されると、破壊される。(経済学者、ブルース・ベンソン)

政府の法律が前近代の慣習法に代わって支配的になったのは、人々の対等なやり取りを促す法律を制定・施行するうえで、代表民主制の政府が優れていたからではない。政治権力を持つ者に財産を移転するという、政府の目的全般の反映である。財産の移転には政府の強制力が必要だ。(同)

慣習法の下では、個人は義務に関するルールを頭に入れ、そのルールを互いに守らせようとする意欲が生じた。政府の強権的な法は本質が敵対的で、集団同士を争わせ財産を収奪・移転するから、秩序ではなく混乱を助長する。政府の法の下で、個人は協力して秩序を保つ意欲を失う。(同)

法をつくる政府は、全体主義の国王であろうと、代表民主制の政府であろうと、権力を中央に集中させ、一部の人間に有利なルールを押しつけて他の人々を犠牲にする。政府は今なお、財産を移転するからくりである。(同)

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