Trumps, Tungsten, and Tax Dollars | The Rude Awakening [LINK]
【海外記事より】米国の金融ライター、ショーン・リング氏が、トランプ政権の資源政策と大統領一族の不透明な利益関係について報じています。現在、米国政府は装甲弾や半導体、極超音速兵器に不可欠な希少金属「タングステン」の確保を急いでいます。タングステンは、中国が世界供給の80%以上を支配しており、北京が輸出制限に踏み切ったことで国防総省に緊張が走りました。リング氏によれば、この戦略的物資の確保を巡る動きの背後で、トランプ大統領の息子たちによる巧妙な投資が進んでいるといいます。
事の始まりは、ニューヨークの小さな持ち株会社、スカイライン・ビルダーズ・グループでした。ドナルド・トランプ・ジュニア氏とエリック・トランプ氏は、特定の証券会社を通じてこの企業の株式を静かに買い進め、目立たない形で持ち分を築きました。一方で、ピニ・アルトハウス氏が率いる投資会社コーブ・キャピタルが、カザフスタンにある世界最大級のタングステン鉱床の開発権を獲得しました。アルトハウス氏は、トランプ大統領やルビオ国務長官、ラトニック商務長官から「直接的な支援」を受けたと公言しており、ラトニック氏はカザフスタン大統領に宛てて同プロジェクトを支持する親書を送ったと報じられています。
特筆すべきは、この民間プロジェクトに注ぎ込まれる巨額の公的資金です。米輸出入銀行(EXIM)と米国際開発金融公社(DFC)は、合計で最大16億ドルに及ぶ納税者負担の融資や保証を示唆しました。リング氏は、プロジェクトが失敗すれば損失は政府、つまり国民に転嫁される一方で、成功すれば莫大な利益が民間株主の手に入ると指摘しています。そして、その恩恵を授かる株主の一人が、直前にこの関連企業の株式を取得していたトランプ一族であるという構図です。
こうした手法は、今回が初めてではありません。トランプ・ジュニア氏がパートナーを務める投資会社が関与したレアアース企業やドローンメーカーでも、一族が投資した直後に多額の政府支援や連邦プログラムが決定するというパターンが繰り返されています。リング氏は、タングステン不足への対策自体は正当な国防上の要請であるとしつつも、国家政策と一族のポートフォリオがこれほど直接的かつ大規模に結びついている現状に強い疑念を呈しています。産業政策という名目のもとで、ホワイトハウスの決定が私的な富に変換されるスピードと規模は、これまでのワシントンの常識を逸脱していると、冷静な筆致で警鐘を鳴らしています。
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