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2026-05-05

ミーゼス研、輝き失う

My Years with the Mises Institute [LINK]

【海外記事より】アメリカの自由至上主義的な法理論家、ステファン・キンセラ氏は、自身が30年以上関わってきた「ミーゼス研究所」の変遷と現状への懸念を綴っています。1982年に設立された同研究所は、オーストリア学派経済学と自由の思想を広める「知的故郷」として、世界中の学者や活動家に多大な影響を与えてきました。特に1990年代後半から2012年頃にかけては、インターネットを最大限に活用し、膨大な書籍や論文を無料で公開するオープン・パブリッシング戦略によって、世界的な思想の拠点となりました。

しかし、キンセラ氏は、近年の研究所がかつての輝きを失い、深刻な停滞期にあると指摘しています。その象徴的な出来事が、長年多大な貢献をしてきた高名な学者、ハンス・ヘルマン・ホッペ教授の解任です。教授は現在の研究所の組織運営を批判する論考を発表した後、上級フェローの地位を追われました。キンセラ氏は、この決定を不当なものとして批判し、研究所の内部で権力が一部の親族や側近に集中している「創業者症候群」が問題の根源であると述べています。

また、実務面でも後退が見られるといいます。かつては著作権に縛られない自由な知識の普及を掲げていましたが、現在は制限の強いライセンスが採用されるようになり、情報の拡散が妨げられています。さらに、名称変更やウェブサイトの改修によって過去の貴重な資料へのアクセスが困難になり、大学院プログラムなどの野心的な事業も相次いで中止されました。キンセラ氏は、このままでは研究所が単に資金を維持するだけの、形骸化した組織になりかねないと危惧しています。

同氏は、研究所が本来の使命を取り戻すためには、組織構造の抜本的な改革が必要だと提言します。職員や家族を含まない、独立した理事会を設置し、執行部に適切な権限と責任を与えるべきだとしています。そして、ホッペ教授への謝罪と復帰こそが、信頼回復の第一歩になると強調しています。私物化を排し、真に真理を追究する場へと立ち戻ることを、長年の協力者の立場から切実に訴えて、この記事を締めくくっています。

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