新型コロナワクチンの接種後に亡くなる人が相次げば、ワクチンの安全性に疑問を抱くのは自然だ。しかしワクチン推進派の人々にとっては、それは愚かで許せない態度らしい。
ジャーナリストの佐々木俊尚はツイッターで、「反ワクチン運動がまた猖獗を極めつつありますが、厚労省のこのリリースを広めましょう」と呼びかける。その発表資料には「国内外で注意深く調査が行われていますが、ワクチン接種が原因で、何らかの病気による死亡者が増えるという知見は得られていません」と述べられている。
けれどもこの記述がフェアでないことは、一緒に掲載されている図表(上)をよく見ればわかる。医療現場から厚労省に寄せられた「副反応疑い報告」は、二つの事象に分かれる。「接種による副反応」と「接種と因果関係のない偶発的な事象」である。たしかに現時点では、「接種による副反応」と認定されたものはない。
しかし実際には、二つの事象のどちらに入るのか、わからないものが多い。図表では二つの事象にまたがる形で楕円が描かれ、「偶発的か因果関係があるかが分からない事例や、直ちに判断できない事例」と書かれている。
つまり、ワクチンが危険だと証明されたわけではないが、安全だと証明されたわけでもない。それなのに、「死亡者が増えるという知見は得られていません」とあたかも安全であるかのように表現するのは詭弁だし、そんなミスリーディングな資料を「広めましょう」などと呼びかけるのも不適切だ。
また、神戸市の女性がワクチン接種後に死亡したことを伝えるTBSの報道について、医師の木下喬弘はツイッターで「丁寧な報道が必要なのに、まるで因果関係があるように報じるTBSも最悪ですね」とコメントした。
TBSの報道は、ワクチンが原因としか考えられないという趣旨の夫の発言を伝えており、たしかにワクチンと死亡に因果関係があるかのような印象を受ける。それはTBS報道陣の意図でもあるだろう。しかし、それがなぜ「最悪」なのか。
客観状況から見て、女性の死とワクチンに因果関係があると疑うには十分だ。そうであれば、そのリスクに警鐘を鳴らすのは報道機関として当然だろう。むしろ、それを怠るメディアこそ「最悪」である。
木下は別のツイートで、「そろそろワクチンを打った後に何人死んだと騒ぐのはやめましょう。ワクチンは毒薬ではありませんし、不老不死の薬でもありません」とコメントしている。
信じられない発言だ。ワクチンを打った後に死者が出れば、騒ぐのは当然だろう。ワクチンは薬事法上、毒薬に準じる劇薬だし、まして日本で打たれている新型コロナワクチンは人類史上、初めて大々的に使用される「遺伝子ワクチン」だ。人体への影響は不透明な部分が多い。
コロナワクチンを推進する人々は、無理な論法でリスクを小さく見せようとしている。その異様な姿からは、むしろワクチンの隠された危険の大きさを感じずにいられない。
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