新型コロナワクチンの接種直後に急死した人について、TBSが独自取材に基づき報じた。大手メディアでは初めてで、価値ある報道だ。
報道によると、亡くなったのは神戸市に住む73歳の女性。先月28日午後4時半ごろ、かかりつけの病院で夫と一緒にファイザー製のワクチンを接種した。女性は十五年前から糖尿病の持病があったが、当日の体調に特に問題はなかった。
ところが帰宅後、呼吸が一気に荒くなるなど容体が急変。救急搬送で病院に着いた時にはすでに心肺停止状態で、午後8時すぎに死去した。「ワクチンを受けてわずか3時間半あまり、突然の別れでした」と報道は伝える。
死亡した女性の夫は「どこかが調子が悪くてという話であればわかりますけど、何もない状態でほんとうにすぐでしたんで・・・。時間がたつにつれて、もう考えたらそれしかない消去法で言ったらそれしかない」と、死因はワクチンの副作用だと強く疑う。
国内ではワクチン接種後に少なくとも196人が死亡している。副反応を検討する厚生労働省の専門部会は、分析を行った139人について「ワクチンとの因果関係が評価できない」としており、これまで死亡との関連性を認めた例はない。厚労省の資料で、報道された女性とみられる記載の死亡原因は「評価中」となっている。
遺族は死因究明のため、大学病院に詳細な検査を依頼しているという。夫はこう語る。「政府が一生懸命やっているのはよくわかるんですけど・・・。(因果関係を)つまびらかにする必要がある。誰でもかれでも打ちなさいということではないと私は思います」
一方、TBSの報道と同じ6月10日、HPVワクチン薬害訴訟九州原告団・弁護団が福岡で記者会見を開いた。
HPVワクチンはいわゆる子宮頸がんワクチンで、国内では2009年に承認。小学6年から高校1年相当の女子を対象とし、13年4月に定期接種になった。しかし全身の痛み、知覚障害、運動障害、記憶障害など深刻な健康被害を訴える声があり、同年6月、厚労省は接種を積極的に勧める「勧奨」をやめた。今月はそれから8年にあたる。
全国弁護団ホームページによると、ある原告の女性はビデオ会議で参加し、こう語った。「仕事や通学ができず、自宅で過ごしている。家族の助けがなければ生活することができず、夢を諦めざるを得なかった。同世代は大学の卒業を控えている。私は日々を生きるので精一杯。私はただ、がんを防ぎたかっただけなのに」
女性は最後に「メディアの皆さんには平等な情報提供をお願いしたい」と訴えた。新型コロナワクチンの報道にもあてはまる言葉だろう。病気の怖さを過剰に煽らず、ワクチンのリスクを隠さず伝える公平な報道が、家族や平穏な日常との「突然の別れ」を避ける助けになる。
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