The Oil Crisis Nobody’s Pricing In - Energy & Capital [LINK]
【海外記事より】最近、米国産の原油を積んだ大型タンカー「オーティス」が日本に到着し、メディアでは歓迎のムードが漂いました。中東への石油依存度が約90%に達する日本にとって、ホルムズ海峡が59日間も封鎖されている中で米国産原油の輸入が実現したことは、一見すると明るいニュースに映ります。しかし、この記事の著者は、こうした楽観的な見方は極めて危ういものであると警告しています。なぜなら、このタンカーが運んできた約91万バレルの原油は、日本の1日の消費量のわずか3分の1に過ぎず、輸送にはパナマ運河を経由して35日もの時間を要したからです。
現在のエネルギー市場は、多くの投資家が想定している以上に深刻な「原油の最終局面」に向かっています。ゴールドマン・サックスなどの大手金融機関は、世界の在庫減少ペースが異常であるとして、原油価格の見通しを上方修正し始めました。4月には世界の在庫が1日あたり1,100万から1,200万バレルという猛烈な勢いで減少しており、ペルシャ湾周辺諸国では貯蔵施設が満杯になったことで、逆に生産停止を余儀なくされる事態に陥っています。一度生産を停止した油井は再開が難しく、将来的に海峡が再開されたとしても、供給能力が完全に回復するまでには数ヶ月を要すると見られています。
さらに深刻なのは、外交による解決の出口が見えない点です。米国とイランは互いに封鎖措置を続けており、仮に今日和平合意がなされたとしても、海峡に敷設された機雷を除去するだけで最低6ヶ月はかかると国防総省は試算しています。また、皮肉なことに、各国政府が補助金などで価格高騰を抑え込んでいるために、本来起こるべき「需要の減退」がまだ起きていません。しかし、在庫には限りがあり、限界を迎えた時に訪れる需要の崩壊は、非常に急激で残酷なものになると著者は予測しています。
この混沌とした状況の中で、唯一の供給拠点として機能しているのが米国のエネルギー部門です。中東の混乱に左右されない米国産の原油や、高い利益率を維持している米国の製油業者は、現在「現金を刷っている」ような独占的な状態にあります。メディアが日本へのタンカー到着を祝う一方で、現実には在庫の枯渇と生産能力の損傷という、より大きな危機が進行しています。この記事は、主流メディアが事態の深刻さに気づく頃には、原油価格は1バレルあたり100ドルを優に超え、世界経済は決定的な打撃を受けることになると結んでいます。
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