Russia’s Lavrov says balance of power shifting to emerging economies | South China Morning Post [LINK]
【海外記事より】ロシアのラブロフ外相は、トルコで開催された「アンタルヤ外交フォーラム」において、米国主導のグローバル化が終焉を迎え、世界の勢力均衡が中国やインドといった新興経済国へとシフトしているとの見解を示しました。ラブロフ氏は、米国の覇権は米国自身の行動によって損なわれており、特にトランプ大統領が導入した一律10%の輸入関税は、自由市場と公正な競争に基づくグローバル化時代の黄昏を象徴していると批判しています。
現在、世界は多極化に向けた歴史的な過渡期にあり、米ドルの独裁的な地位から逃れようとする動きが加速しています。ラブロフ氏は、ドルが「戦争の道具」へと変質したことで、BRICS諸国だけでなく多くの地域団体が独立した決済システムの構築に関心を寄せていると指摘しました。特にイランとの戦争などの経済的緊張がこの傾向を強めており、イランが制裁を回避するために石油取引の決済をドルから人民元へ切り替えていることは、ペトロダラー体制への重大な挑戦となっています。中国やインドの経済成長率が米国を上回り続ける中、客観的な経済指標に裏打ちされた勢力図の変化はもはや不可逆的であり、それに伴って政治的な影響力も新興国側へ移りつつあります。
一方で、ウクライナ情勢や対イラン戦争といった紛争解決において、パキスタンやトルコといった「ミドルパワー(中堅国家)」の役割が重要性を増しています。トルコのエルドアン大統領は、米国とイランに対し、イスラエルによる挑発を警戒し、現在の停戦を永続的な平和へとつなげるよう強く促しました。エルドアン氏は「平和は片翼の鳥ではない」と述べ、対話と外交こそが最も近い解決策であると強調しています。かつてのような大国主導の秩序が崩壊する中で、自国の安全保障や経済的利益を追求する中堅国家たちが、多極化する世界の新たな調整役として台頭している現状が浮き彫りになりました。
こうした地政学的な激動の中で、欧米諸国間の足並みの乱れも表面化しています。トランプ政権が制裁対象であるロシア産原油の海上購入を一時的に認める「適用除外」を更新したことに対し、ウクライナ支援を継続する欧州諸国からは、ロシアへの資金源を断つ努力を妨げるものだとして批判の声が上がっています。米国が自国の利益を優先して一貫性を欠く行動をとる一方で、中国やロシアは戦略的連携を強化しており、世界のパワーバランスはより複雑で予測困難なフェーズへと突入しています。
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