Markets Prematurely May Celebrate, But the Next Phase Likely Will be More, Bigger War - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]
【海外記事より】元外交官のアラスター・クルック氏が、イランを巡る情勢が新たな、そしてより激しい紛争の局面に入りつつあると警鐘を鳴らしています。トランプ米大統領はホルムズ海峡が完全に開放され、イランが高濃縮ウランの引き渡しに同意したと主張していますが、クルック氏はこれらを事実無根であると断じています。大統領のこうした発言は、市場を操作して原油価格を下落させるための策略か、あるいは現実認識に支障をきたしている可能性が高いと同氏は指摘しています。実際、イラン側は米国との二国間協議を拒否しており、停戦交渉の裏で米国側はイランに対して「ウラン濃縮の永久放棄」や「備蓄ウランの全量引き渡し」といった、イスラエルの長年の要求をそのまま突きつけているのが実態です。
この対立の背景には、国内で政治的に窮地に立たされているイスラエルのネタニヤフ首相の焦りがあります。政権交代やミサイル計画の阻止といった当初の戦争目的が達成困難となる中で、ネタニヤフ氏は「ウラン」という最後の一枚に賭けており、外交的圧力や軍事行動を通じてイランに譲歩を迫るよう米側に強く働きかけています。一方で、バンス副大統領は水面下でパキスタンを仲介役とした交渉を試みていますが、イスラエルによるレバノンへの激しい攻撃が続いており、平和交渉が地上戦の準備を隠すための隠れ蓑として利用されている懸念も浮上しています。ロシア安全保障会議も、米国が地域への増員を続ける中で、これが大規模な地上作戦の布石であると警告を発しています。
経済面では、ベッセント財務長官が「オペレーション・エコノミック・フューリー(経済的怒り作戦)」を掲げ、イランの最大の顧客である中国を標的にした強力な経済封鎖を狙っています。イラン産原油の取引に関与する金融機関に二次的制裁を課すというこの方針は、単なる関税合戦を超え、中国のエネルギー供給ラインを直接脅かすものです。クルック氏は、こうした圧迫策がイランや中国を屈服させるどころか、かえって事態を悪化させ、経済戦をグローバルな規模へと拡大させるリスクがあると分析しています。
結局のところ、イスラマバードでの交渉が決裂したのは、両者の現実認識に埋めがたい溝があったためです。米国はイランが軍事的に追い詰められているという仮定で交渉に臨みましたが、イラン側はホルムズ海峡や紅海の制海権を握る自国の優位性を確信しており、譲歩する段階にはないと考えています。市場は一時的な楽観論に沸くかもしれませんが、現実は、イランのインフラを標的としたさらなる大規模なミサイル攻撃や、世界経済を巻き込む広範な紛争へと向かう「より大きく激しい戦争」の段階に差し掛かっていると、クルック氏は結論づけています。
0 件のコメント:
コメントを投稿