Doug Casey on Tax Day, Inflation, and the War on the Middle Class [LINK]
【海外記事より】米国では4月15日の納税の日が過ぎましたが、生産的な人々が毎年春になると「国にいくら貢がなければならないか」を計算することに時間を費やす現状は、社会の歪みを象徴しています。投資家のダグ・ケーシー氏は、税金は文明社会の維持に不可欠なものではなく、むしろ道徳的に問題のある存在だと主張します。世間では税率の妥当性や使い道といった技術的な議論ばかりがなされていますが、国家による強制や通貨の膨張といった仕組みそのものを疑う視点が欠落していると氏は指摘しています。
現在のエリート層は、実は中産階級を破壊したいと考えているのではないか、というのがケーシー氏の見立てです。彼らにとって、自分たちの地位を脅かす可能性のある自立した中間層は邪魔な存在であり、少数の支配層と、それを支える従順な労働者層だけで構成される社会を望んでいるというのです。これは、かつてレーニンが「中間層は税金とインフレという二つの石臼の間で粉砕されるべきだ」と述べた戦略と一致します。税金は資本の蓄積を困難にし、政府が発行する不換紙幣のインフレは、人々の貯蓄価値を密かに奪い去ります。国家という仕組みそのものが、暴力と強制を背景にした再分配の装置と化しているのです。
アメリカ国民は長年の教育を通じて、政府を慈悲深い守護者のように思い込まされてきました。4年ごとの選挙も、実際には似たような二つの選択肢から選ばされているに過ぎず、根本的な変革にはつながっていません。最近ではスコット・ベッセント財務長官が、源泉徴収額の調整を「実質的な賃上げ」と表現しましたが、これは自らの給与の一部を返してもらうだけの話をすり替えた、不誠実な嘘に他なりません。政府が配布するわずかな給付金や、AIによる失業対策としてのユニバーサル・ベーシック・インカムの議論も、個人の責任感を麻痺させ、人々を国家の福祉に依存する「羊」のように変えてしまう危険性を孕んでいます。
政府という組織は、遺伝子レベルで拡大を続けるようにプログラムされています。官僚は部下を増やし、より多くの予算を確保することで昇進しようとするため、税金や借金、通貨膨張は止まることがありません。社会で最も生産的な中間層を追い詰める国家の姿は、宿主を食い潰す寄生虫のようなものです。多くの国民は国家と社会を混同し、依存を強めていますが、莫大な債務によって通貨価値が崩壊したとき、彼らはさらに強力な指導者や政府による救済を求めるという悪循環に陥るでしょう。個人の資産を守る努力は続けなければなりませんが、略奪者として肥大化し続ける国家という巨大な問題に対し、安全かつ合法的な解決策を見出すのは極めて困難であると、著者は警鐘を鳴らしています。
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