Will China’s deal with Australian mining giant BHP boost yuan internationalisation? | South China Morning Post [LINK]
【海外記事より】オーストラリアの鉱業大手であるBHPが、中国の主要な買い手に対し、鉄鉱石の価格指標を人民元建てに連動させることを認めました。これは、長らく米ドルが支配してきた資源取引の分野において、中国政府が勝ち取った大きな成果であると分析されています。中国は世界の海上鉄鉱石輸入の約75%を占める最大の顧客でありながら、これまで価格形成への影響力は限定的でした。今回の合意により、中国国内の市場取引データが価格算定式に組み込まれることになり、価格決定の主導権が大きく動こうとしています。
この合意は、中国の国営機関である中国鉱産資源集団(CMRG)との数ヶ月にわたる交渉の末に成立しました。具体的には、BHPの主力製品であるジンブルバー粉鉱の価格について、その51%を中国の港での実取引に基づいた人民元建て指標で決定し、残りの49%を従来の米ドル建て指標で算出する仕組みです。これまでは米ドル建てのプラッツ指標などが主に使われてきましたが、今後は人民元ベースの価格が過半を占めることになります。専門家は、この変化によって鉄鉱石の価格が実際の需給バランスをより正確に反映するようになり、採掘業者による価格操作が難しくなると指摘しています。
こうした動きの背景には、米国による「ドルの武器化」への懸念や、地政学的な対立が深まる中で、中国が人民元の国際化を加速させている実情があります。BHPのような業界最大手が人民元建ての指標を受け入れたことは、リオ・ティントやヴァレといった他の巨大鉱山企業にとっても無視できない前例となります。実際、他のオーストラリア企業であるフォーテスキュー・メタルズも、昨年すでに人民元建て取引の拡大に同意しており、その見返りとして中国の銀行から極めて有利な条件で融資を受けています。
しかし、今回の合意がすぐに米ドルの覇権を覆すわけではありません。分析によれば、依然として複数の指標が併存する状態が続くと見られており、人民元建て指標がどれだけ広く受け入れられるかは、その透明性や流動性にかかっています。中国はトランプ政権下の米国の孤立を背景に、ドル依存からの脱却を図るチャンスをうかがっていますが、鉄鉱石の価格決定権を巡る争いは、まだ入り口に立ったばかりだと言えるでしょう。鉄鉱石という重要資源のルールが変わることで、今後、世界の資源貿易における人民元の存在感がじわじわと高まっていくことが予想されます。
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