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2026-04-28

経済制裁、年数十万人の命奪う

Report: America's Economic Sanctions Kill Hundreds of Thousands Annually | The Libertarian Institute [LINK]

【海外記事より】米国の外交政策において不可欠な強制手段となっている経済制裁が、年間で数十万人もの命を奪っているという衝撃的な研究結果が報告されています。ランセット・グローバル・ヘルス誌に掲載された2025年の画期的な調査によると、米国や欧州連合(EU)などによる一方的な制裁によって、毎年約56万4000人が亡くなっており、これは武力紛争による年間死亡者数に匹敵する規模です。1971年から2021年までの累計では、その死者数は約3800万人に達すると推計されています。

経済制裁は、対象国の経済を国際貿易や金融システムから遮断することで、食料の輸入を制限し、医薬品のサプライチェーンを破壊し、公衆衛生インフラを崩壊させます。この「静かなる兵器」の犠牲者の内訳を見ると、5歳未満の子どもが全体の51%を占めており、労働力や政府のエリート層よりも、社会的に脆弱な層が最も深刻な被害を受けている実態が浮き彫りになりました。かつてウッドロー・ウィルソン米大統領は、制裁を「平和的で沈黙の、しかし致命的な手段」と表現しましたが、歴史はこの手段が平和的どころか、無実の市民に対する過酷な集団的罰となっていることを証明しています。

具体的な事例として、1990年から2003年までのイラクへの制裁では、最大150万人が命を落とし、そのうち50万人以上が子どもであったと報告されています。また、近年のベネズエラでは、制裁によって現代の平時における歴史上最大の経済収縮が引き起こされました。同国の一人当たり所得は2012年から2020年の間に71%減少し、これに伴って一般死亡率が31%上昇、4万人以上の過剰死亡が発生したと分析されています。経済学者のフランシスコ・ロドリゲス氏は、こうした包括的な制裁を「包囲戦」と呼び、米国の世界恐慌に匹敵する経済的打撃を与えていると指摘しています。

国連の専門家や人道支援団体からは、こうした制裁がローマ規程第7条に基づく「人道に対する罪」に相当する可能性があるとの批判も上がっています。制裁は軍事力に代わる非暴力的な選択肢と誤解されがちですが、実際には対象国の国民全体を窮乏させ、死に追いやる極めて殺傷力の高い政策です。現在、世界の約27%の国々が何らかの制裁下にありますが、制裁が拡大し続ける一方で、その人道的な代償については十分に議論されていないのが現状です。政治的な目的を達成するために市民の命を犠牲にするこの「経済兵器」の在り方が、今改めて問われています。

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