注目の投稿

「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2026-04-24

不換紙幣と文明の衰退

Fiat Money and the Decline of Civilization [LINK]

【海外記事より】不換紙幣(フィアットマネー)制度の下では、通貨価値が絶えず下落し、人々の購買力は月を追うごとに失われていきます。政府の視点に立てば、これは単なる欠陥ではなく、税収を超えた支出を可能にするための「仕様」です。中央銀行である連邦準備制度(FRB)は、いわば巨大な政府を動かすエンジンとなっています。しかし、この制度がもたらす害悪は経済的なものに留まりません。経済学者のサイファディーン・アモウズ氏は、不換紙幣制度が社会に「高い時間選好」という深刻な負の影響を及ぼしていると説いています。

時間選好とは、現在の消費と将来の消費のどちらを重視するかを示す経済用語です。健全な通貨制度の下では、人々は将来に備えて貯蓄し、目先の満足を後回しにする「低い時間選好」を持ちますが、通貨が減価し続ける制度下では「明日には価値が下がるのだから、今使ってしまおう」という「高い時間選好」が支配的になります。こうした刹那的な思考は、社会のあらゆる側面に浸透し、文明の衰退を招きます。例えば家族形成は究極の「低い時間選好」に基づく行為ですが、通貨下落による生活の圧迫は、若者から将来への投資意欲を奪い、少子化を加速させます。建築においても、数世紀続く美しさよりも、短期的な収益を優先した使い捨ての構造物が溢れるようになります。

食生活や科学の分野でも劣化が進みます。政府の助成金や歪んだインセンティブにより、土壌は疲弊し、栄養価の高い食品は安価で不健康な加工食品に取って代わられます。科学研究も、長期的な真理の探究より、政府の助成金を得るための煽情的な予測や政治的意図に沿った研究が優先されるようになります。教育についても同様で、多額の負債を抱えながら市場価値のない学位を乱発する「借金工場」と化し、真のスキル習得が疎かになっています。さらに、不換紙幣制度は政府に無限に近い戦費の調達を可能にさせるため、納税者の反発を回避したまま終わりのない戦争を継続させる一因にもなっています。

市場の機能も著しく歪められています。政府は特定の「クリーンエネルギー」部門に巨額の補助金を出すなどして、政治的判断に基づいて勝者と敗者を恣意的に選別しています。これにより、本来市場で起こるべき技術革新が妨げられ、資源の浪費を招いています。不換紙幣は単なる経済の問題ではなく、社会のあり方そのものを変質させてしまいます。私たちが文明の質を維持し、健全な社会を取り戻すためには、価値が安定した「健全な通貨」が必要不可欠であるというのが、この記事の筆者たちの共通した主張です。

0 件のコメント: