注目の投稿

「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2026-04-21

海峡封鎖、世界経済を破壊

The Blockade Stage of Trump’s Absurdities, by Michael Hudson - The Unz Review [LINK]

【海外記事より】トランプ政権によるペルシャ湾およびオマーン湾の封鎖宣言は、イランとの対立をかつてないほど不条理な段階へと押し進めています。米当局はこの措置を、イランによるホルムズ海峡の支配への対抗策としていますが、軍事資産が数千キロも離れた場所にある米国に、実効性のある封鎖が可能かどうかは極めて疑わしいのが現状です。実際、イラン関連の船舶が海峡を通過しているとの報告もあり、米国の威信は揺らいでいます。この封鎖の試みは、単にイランを標的にするだけでなく、エネルギー供給の寸断を通じて世界経済全体を「経済的な核の冬」とも呼べる深刻な不況に陥れる危険性を孕んでいます。

経済学者のマイケル・ハドソン教授は、現在の状況を「第4の通貨価値低落サイクル」における重大な局面と指摘しています。米国によるドルの武器化や制裁の乱用は、世界各国にドルの保有がリスクであると認識させ、金や他国通貨への移行を加速させています。特にヘリウムや肥料の原料となる硫酸など、ハイテク産業や農業に不可欠な資源の供給が滞ることで、物価の高騰だけでなく、実体経済の生産能力そのものが破壊される「傷跡」が残ることが懸念されます。ハドソン氏は、米連邦準備理事会がインフレ対策として利上げを行う従来の手法は、エネルギー価格などの供給側の問題には無力であり、むしろさらなる不況を招く「ジャンク経済学」であると批判しています。

さらに、この紛争の本質は核開発問題ではなく、イランの石油資源の支配にあるとの見方が示されています。トランプ氏は米国がエネルギーの純輸出国であることを強調し、混乱の中でも自国は優位に立てると主張していますが、これは債務超過に陥っている米国内の一般市民や、同盟国である欧州、日本、韓国に多大な犠牲を強いるものです。イラン側は、自国の石油施設が攻撃されれば、サウジアラビアなど周辺諸国の輸出施設を破壊し、世界全体を道連れにする構えを見せています。このような極限状態において、これまで米国に依存してきた各国は、自国の安全と繁栄を守るために、米国中心の秩序から離脱し、中国やロシアを含む新たな多極的枠組みへの移行を真剣に検討せざるを得ない状況に追い込まれています。

歴史的に米国の「忠実な僕」と見なされてきた英国でさえ、イランへの攻撃に加わらない意向を示すなど、NATO(北大西洋条約機構)の結束にも亀裂が生じています。米国がもはや世界の安全や繁栄の守護者ではなく、むしろ最大の脅威になりつつあるという認識が世界中に広まっています。日本や韓国といった同盟国も、米国の軍事基地を維持し続けることが、イランからの石油供給停止という致命的な報復を招くリスクとなっている現実に直面しています。このように、トランプ政権が引き起こした不条理な封鎖劇は、米国が世界経済の中心的地位から周辺的な存在へと転落していく、歴史的な転換点となる可能性を強く示唆しています。

0 件のコメント: