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2026-04-23

どの金貨を買うべきか?

I Care Not Whether My Gold and Silver Are Government Minted Coins [LINK]

【海外記事より】貴金属販売の現場で顧客と接しているクリストファー・ラーセン氏は、米ドルの価値が損なわれた際に「実際に使える通貨」として、どのようなコインを購入すべきかという問いに対し、非常に本質的な視点を提示しています。多くの人々は政府が発行した「法定通貨」としての刻印があるコインを求めますが、著者は政府発行のコインにこだわらず、民間企業が製造する「ラウンド」と呼ばれる円形の地金やバーを選択肢に入れることを勧めています。その理由は、金や銀の価値は刻印された通貨単位にあるのではなく、そこに含まれる貴金属そのものの重さと純度にあるからです。著者は、金銀の製品を大きく三つのカテゴリーに分類して解説しています。

第一のカテゴリーは「地金型金貨・銀貨」です。これらは現代の政府発行コインで、カナダのメイプルリーフやアメリカのイーグルなどが代表例です。これらには「5ドル」や「50ドル」といった法定通貨としての額面が刻印されていますが、その額面はあくまで儀式的なものであり、実際の価値は含まれる金銀の市場価格を大きく下回ります。第二のカテゴリーは「スペシー」と呼ばれる歴史的な貨幣です。1933年以前の米国金貨や1965年以前の銀貨などがこれに当たります。これらはかつて実際に流通していた硬貨で、当時は刻印された額面と貴金属の含有価値が概ね一致していました。現在はアンティークや「ジャンクシルバー」として、その含有量に基づいた価値で取引されています。

そして第三のカテゴリーが、民間の精錬所などが製造する「ラウンド」や「バー」です。これらには「1ドル」といった政府の通貨単位は刻印されておらず、代わりに重量と純度のみが記されています。民間製品は政府発行のものに比べてプレミアムと呼ばれる手数料が低く抑えられており、より効率的に貴金属を保有できるという利点があります。たとえ政府の刻印がなくても、これらは価値のある商品として物々交換や取引に利用することが可能です。ラーセン氏は、ドルのような法定通貨の価値は、発行政府への信頼が続く期間だけの限定的なものに過ぎない一方で、金や銀の価値は永続的なものであると指摘しています。

結論として、著者は自分自身の資産形成において、政府発行のコインであるか民間製造の地金であるかを重視していません。最も重要なのは、通貨の額面という「外見」ではなく、その物体がどれだけの純度の金や銀を含んでいるかという「実体」です。経済が不安定になった際に真に頼りになるのは、政府が保証する数字ではなく、貴金属そのものが持つ普遍的な価値であるという考え方に基づいています。私たちは、コインを単なる「お金」として見るのではなく、特定の重さを持った「貴金属の塊」として捉えるべきだという、実務家らしい冷静な助言で締めくくられています。

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