The Impact of the US/Israel-Iran Crisis on Asia - Antiwar.com [LINK]
【海外記事より】米・イスラエルとイランの危機がアジア経済に与える深刻な影響について、国際的な経済学者ダン・スタインボック博士が警鐘を鳴らしています。今回の危機で原油価格は一時1バレルあたり110ドルから116ドルまで急騰しましたが、より深刻なのは液化天然ガス(LNG)への打撃です。原油が50%超の上昇だったのに対し、LNGは最大143%も暴騰し、3年ぶりの高値を記録しました。世界の石油の20%と主要なLNGがホルムズ海峡を経由してアジアに流れているため、この地域にとっての供給リスクは計り知れません。
エネルギー価格の暴騰は、インフレを通じてアジア全域の経済見通しを悪化させています。燃料や電気、肥料の不足は企業のコスト増を招き、それが幅広い商品やサービスの価格に転嫁されています。特に「世界の工場」であるアジアでは、プラスチックや化学製品の原料となるLNGのショックが工業の停滞を招いており、ガス依存度の高い日本、韓国、ベトナムが最も大きなリスクにさらされています。物流面でも輸送費や保険料が跳ね上がり、サプライチェーンのボトルネックが発生しています。
各国の状況を見ると、日本と韓国はLNGや輸出への依存度が高いため、当初の想定以上に状況が悪化しています。日本ではインフレと円安が同時進行し、日銀は金利政策の再考を迫られています。韓国の成長率は1%以下に落ち込む可能性が出てきました。また、フィリピンではエネルギー危機と通貨ショックが重なり、経済成長率の見通しが大幅に下方修正されるなど、すでに非常事態に陥っています。中国はロシアからのエネルギー供給などで一定の回復力を見せていますが、世界的な需要減退による輸出の弱体化という課題に直面しています。
国際通貨基金(IMF)によれば、このイラン・ショックはすでに世界の80%の国々に影響を及ぼしており、アジアの途上国ではGDP成長率を1.3%も押し下げる可能性があります。もし停戦が失敗し戦争が長引けば、原油価格は150ドル台まで暴騰し、サプライチェーンは完全に崩壊しかねません。市場が一時的に反発したとしても、実体経済が並行して回復することはないでしょう。アジアで起きているこの「負の連鎖」は、やがて欧州や北米にも波及し、世界全体に深刻な経済的傷跡を残すことになるとスタインボック博士は分析しています。
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