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2026-04-03

ミーゼス研究所とロスバードの遺産

The Mises Institute Versus the Legacy of Murray Rothbard - Instituto Rothbard Brasil [LINK]

【海外記事より】米国のミーゼス研究所において、近頃その編集方針や思想的な純潔性を巡る深刻な議論が巻き起こっています。本来、マレー・ロスバードの遺産を継承し、国家介入を一切認めない純粋な自由社会を目指すはずの同研究所のサイトに、国家の役割を肯定する「責任ある国家主義」とも取れる内容の記事が掲載されたことが発端です。批判の矢面に立たされているのは、財政規律や予算の均衡を「経済計算を維持するための最低条件」と称える主張です。しかし、ロスバード主義の観点から見れば、国家による課税は本質的に略奪であり、たとえ予算が均衡していてもその不道徳性は変わりません。また、中央銀行による通貨発行や公開市場操作を無視して、単に財政赤字の解消だけで経済の歪みが正されると説くのは、オーストリア学派の理論を曲解するものだという厳しい指摘がなされています。

この記事の著者は、古典的自由主義の立場を引き合いに出し、税金がインフラなどの公共サービスと引き換えに提供される「強制的な拠出」であれば正当化される可能性を示唆しています。しかし、これは自由市場における競争とは無縁の独占的強制であり、国家による「強奪」と何ら変わりはありません。かつて「限定的な政府」を目指した試みが、結果として肥大化した無制限の政府を生んできた歴史を考えれば、こうした妥協的な姿勢は個人の自由を著しく損なう危うさを秘めています。さらに、著名な経済学者であるダニエル・ラカジェ氏のような人物が、中央銀行に「財政暴走を抑える役割」を期待するような発言を同研究所のプラットフォームで行っていることも、混乱に拍車をかけています。本来、中央銀行は政府の支出を際限なく可能にするための装置として機能してきたのであり、その独立性を信じることは、オーストリア学派の歴史認識から大きく逸脱していると言わざるを得ません。

こうした変節の象徴として挙げられているのが、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領に対する評価です。彼は自らを無政府資本主義者と称していますが、実際には増税によって財政黒字を演出し、中央銀行を存続させて金融エリートに奉仕させているとの批判があります。ミーゼス研究所がこうした「ミレイ主義」を、検証を欠いたままプロパガンダ的に宣伝し続けている現状は、真実を追究する研究機関としての信頼を揺るがしています。研究所内には依然として優れた学術的成果があるものの、編集陣が本来の価値観を軽視し、妥協的な国家主義を許容している現状は、知的・道徳的な衰退であると断じられています。ハンス=ヘルマン・ホッペ氏のような重鎮からも、現在の研究所の状況はロスバードの遺産に対する裏切りであるとの懸念が示されており、自由主義運動の聖地としてのあり方が今、激しく問われています。

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