Story of an Economyth [LINK]
【海外記事より】オーストリア学派経済学を標榜しながら、その本質的な教義から逸脱した主張を行う「似非オーストリア学派」とも呼ぶべき動向に、警鐘を鳴らす論考が発表されました。フランスでマレー・ロスバードの遺産を広める活動を行うステファン・ゲレス氏は、著名な大学教授であるフランソワ・ファキーニ氏の近著を例に挙げ、学派の看板を掲げながら学術的誠実さを欠く姿勢を批判しています。具体的には、この教授が「明日の税制はどうあるべきか」という著作の中で、本来「課税は略奪である」と説くべき立場にありながら、税金を「必要悪」として容認し、いかに効率的に徴収するかという議論に終始している点に疑問を呈しています。
批判の核心は、経済学における手法の矛盾にあります。ミゼスやロスバード、ホッペといったオーストリア学派の巨頭たちは、経済学を「人間の行動」に関する論理的・先験的な科学と位置づけ、数値化や計測が不可能な分野であると説いてきました。しかし、問題視されている教授は、100年以上にわたる膨大な統計データを用いた実証研究を行い、フランスにおける国家の「最適な規模」は国内総生産(GDP)の30%であると結論づけています。これは、国家が支出する資金は元を正せば略奪されたものであるという学派の根本原理を無視し、犯罪の「最適値」を探るような矛盾した試みであるとゲレス氏は指摘します。
このような妥協的なアプローチは、現実の政治家に対して支出削減を促すための「戦略的で賢明な手法」と見なされることもあります。しかし、ゲレス氏は、こうした妥協が一般の人々の間に「オーストリア学派は最適課税を認めるものだ」という誤解を広め、自由を希求する運動や経済科学そのものを汚すことになると懸念しています。アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領の台頭以降、学派の名が注目を集める中で、自称「オーストリア学派」がその一貫性を失い、既存の権力構造に阿ねるような理論を展開することに対し、真の誠実さと勇気を持って自らの立ち位置を明確にするよう求めています。
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