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2026-04-02

戦争を飾る美辞麗句

Criticizing Hawkish Evangelicals For the Wrong Reasons | The Libertarian Institute [LINK]

【海外記事より】アメリカのキリスト教福音派内部で、現在進行中の対イラン戦争をめぐる支持のあり方に大きな変化が起きています。歴史学者のジョン・フィア氏は、トランプ大統領を支持する現在の「MAGA福音派」の指導者たちが、かつてのジョージ・W・ブッシュ政権下での福音派とは異なり、戦争を正当化するための道徳的・神学的な「原則」を欠いていると批判しています。かつての指導者たちは、イラク戦争に際して「正当な戦争理論」を用い、謙虚さや悲しみを伴う「悲劇的な勇気」として戦争を語りました。しかし現在の指導者たちは、単なる復讐心や終末予言、あるいはトランプ氏への個人崇拝に近い形で、暴力的な情熱を剥き出しにして戦争を喝采しているというのです。

しかし、こうしたフィア氏の批判に対し、本記事の著者ジェフ・ライト氏は異なる視点を提示しています。ブッシュ時代の指導者たちが用いた高潔なレトリックは、結果としてイラクやリビア、シリアでの悲劇的な結末を覆い隠すための「道徳的な口紅」に過ぎなかったのではないかという問いです。実際に、米国による「体制転換」を目的とした過去の戦争は、いずれもキリスト教徒を含む現地の人々に甚大な苦難をもたらしてきました。イラクではサダム・フセイン政権下で守られていた100万人以上のキリスト教徒が、戦後の迫害により今や15万人から30万人程度にまで激減しました。リビアでもカダフィ大佐の失脚後、キリスト教徒は誘拐や殺害の標的となり、開かれた奴隷市場が存在する無法地帯と化しています。

さらに、現在イランには80万人から100万人のキリスト教徒が暮らしており、レバノンにも人口の30%にあたる200万人以上の信者が存在します。イスラエル軍がレバノン南部への侵攻を計画する中、過去の失敗を繰り返さないための教訓が必要です。ライト氏は、今回のイラン戦争もまた、過去の戦争と同様に道徳的に正当化することはできないと断言しています。政府は戦争の正当性について一貫した説明ができず、嘘を重ねているのが現状です。そうした中で、ブッシュ時代のような「祈りや断食を伴う謙虚な戦争支持」を求めることは、現実を直視せず、戦争という悲惨な行為を操作的で欺瞞的な美辞麗句で飾ることに他ならないと批判しています。

むしろ、現在の国防長官ピート・ヘグセス氏のような「勝利とは支配だ」と言い切る姿勢の方が、戦争の本質に対してより正直であると著者は述べています。かつての福音派指導者たちが提唱した「道徳的な世界秩序の構築」という理想は、現実には達成されず、むしろ事態を悪化させてきました。フィア氏が求めるような「原則への訴え」が必要なのであれば、それは戦争をいかに美しく支持するかではなく、この戦争そのものにいかに反対するかという形で行われるべきです。体制転換を目指す戦争は機能せず、常に状況を悪化させるという現実に、今こそ真摯に向き合うべきであると締めくくっています。

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