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2026-04-02

イラン戦争の出口戦略

An Iran Exit Plan [LINK]

【海外記事より】アメリカのシンクタンク、クインシー研究所のジョージ・ビービ氏とトリタ・パルシ氏は、激化するアメリカとイランの紛争を解決するための現実的な妥協案を提示しています。歴代の米大統領が学んできた外交の教訓は、「解決できる問題」と「解決はできないが管理すべき問題」を区別することです。トランプ大統領は現在、空爆によってイランの体制を変え、脅威を完全に排除できるという罠に陥っていますが、軍事力だけでイランの核の知見やドローン部隊、さらには地政学的に重要な海峡を脅かす能力を消し去ることは不可能です。また、広大な山岳地帯を持つイランへの地上軍投入は、ベトナムやイラクを遥かに上回る犠牲を強いる無謀な選択肢であると著者らは指摘しています。

現在、一時的に攻撃を止めて勝利を宣言する「芝刈り戦略」も浮上していますが、将来の安全が保障されない限りイラン側が停戦に応じる理由は乏しいでしょう。特に中間選挙を控えたトランプ大統領にとって、ガソリン価格の高騰や経済停滞を招く泥沼の戦争は、自身の政治生命を脅かす致命傷になりかねません。そこで提案されているのが、互いのメンツを保ちつつ核心的な懸念を解消する「出口戦略」です。具体的には、イランがイスラエルへの直接・代理攻撃を停止し、ホルムズ海峡を完全に開放すること、そして石油販売の少なくとも半分を人民元ではなく米ドルで行うことを約束します。その見返りとして、米国は日本や韓国、インドなどがイラン産石油の購入を再開できるよう制裁を免除し、イランの経済復興を容認するという内容です。

この合意を確実なものにするため、ロシアに仲介役を委ねるという大胆な案も示されています。イラン側はすでに米国の特使を信頼しておらず、オマーンによる仲介も限界に達しています。ロシアのプーチン大統領はトランプ大統領と親交があるだけでなく、イランの軍事・治安中枢やイスラエルのネタニヤフ首相とも長年密接な関係を築いてきました。ロシアにとっても、隣国であるイランの核武装は望ましくなく、世界経済の深刻な後退はエネルギー輸出の利益を損なうため、和平を仲介する動機は十分にあります。ロシアがイランの高濃縮ウランを自国領内で保管することを柱とした核合意の成立を支援できれば、危機の沈静化に向けた大きな一歩となります。

もちろん、イランへの制裁緩和やウラン貯蔵庫の放棄は、ワシントンとテヘラン双方で激しい抵抗に遭うでしょう。しかし、これらの妥協案は決して理想的なものではなく、他に選択肢がないがゆえの苦渋の決断です。代償を払わずに相手を屈服させることはもはや不可能であり、このままエスカレーションを続ければ、トランプ政権の崩壊とイランの困窮という共倒れの結果しか残りません。両国は今、互いを屈服させるのではなく、一方が勝利を主張できる余地を残しながら、同じボートに乗って沈没を避けるための「出口」を見つけ出さなければならない局面に立たされています。 

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