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2026-04-14

金、安保インフラに

Op-Ed: How gold became national security infrastructure - MINING.COM [LINK]

【海外記事より】フランスの中央銀行は4月、自国が保有する全ての金準備を国内に回収したことを明らかにしました。2025年7月から2026年1月にかけて、ニューヨーク連邦準備銀行に預けていた129トンの金を売却し、欧州市場で同等の金を購入することで、合計2,437トンの保有量を維持したまま、100%自国での管理を実現したのです。この動きは、北大西洋条約機構(NATO)の創設メンバーであるフランスが、主要な同盟国であるアメリカの預かりから資産を引き揚げたという政治的な意味合いを持っています。同様の動きは世界的に加速しており、ドイツも一部を国内に戻しているほか、インドも2023年以降に大規模な本国送還を実施しました。これは、2022年にロシアの準備資産が凍結されたことを受け、外国の司法権の下で資産を保有することに伴う主権リスクを、各国の中央銀行が強く認識し始めた結果と言えます。

中央銀行による金の購入は、2025年には863トンに達し、4年連続で高い水準を維持しています。特にポーランドの中央銀行は、金の保有を国家安全保障の観点から捉え、積極的な積み増しを続けています。ゴールドマン・サックスは、金の価格が一時的な調整局面にあっても、長期的には1オンスあたり5,400ドルに達すると予測しています。金市場への需要は、単なる投機的なものではなく、準備資産の安全性を守るための構造的な再編によるものです。世界的な金の需要は初めて5,000トンを超え、上場投資信託(ETF)や地金への流入も過去最高水準にあります。各国の主権者や機関投資家は、従来の準備資産に対するルールが変化した現代において、金の価値を再評価しているのです。

中国の戦略も、単なる資産運用を超えた体系的なものです。中国人民銀行は16ヶ月連続で金を購入し、米国債の保有を減らすことで、制裁の影響を受けないポートフォリオへの転換を進めています。中国は世界最大の金産出国であるだけでなく、西アフリカなどの海外での鉱山開発や、戦略的鉱物の精錬能力の確保にも注力しています。また、ドバイやロンドンなどの物流拠点が地政学的な危機にさらされた際、金の供給網が混乱するリスクも顕在化しました。これを受け、金の精錬所や物流網そのものが、国家の金融主権を支える戦略的なインフラとして重視されるようになっています。金はもはや単なる商品ではなく、国家の安全保障を担う戦略的な能力そのものとして位置づけられているのです。

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