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2026-04-02

イランの大胆な戦略

Iran’s audacious strategic moves – declared ‘missile dominance over the Occupied Territories’; a warning of ‘nuclear deterrence’ — Strategic Culture [LINK]

【海外記事より】中東での紛争が4週目に入り、イランと米・イスラエル連合との戦いは新たな局面を迎えています。激しい空爆を受けているものの、イランの軍事的な有効性は損なわれておらず、各地に分散して深く埋設されたミサイル拠点は破壊を免れているとみられます。これに対し、イスラエルと米国は国民の戦意喪失を狙った民間施設への攻撃にシフトしているとの指摘もありますが、イラン側はこれを「ミサイル支配」を確立した機会と捉えています。実際に、厳重に守られたイスラエルのディモナ近郊への報復攻撃の際、迎撃ミサイルが作動しなかったことを受け、イラン指導部はイスラエルの空は無防備であると主張し、次段階の作戦実行を予告しています。

トランプ大統領はイランに対し、48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければ、ブシェール原子力発電所を含む主要な民間発電所を順次破壊するという最後通牒を突きつけました。しかし、新たに就任した最高指導者アヤトラ・モジタバ・ハメネイ師はこれに屈することなく、逆に米国に対して極めて厳しい要求を突き返しています。その内容は、中東からの米軍の完全撤退、60日以内の制裁全面解除、そしてこれまでの経済的損害に対する長期的な賠償を求めるものです。もしこれらが受け入れられない場合、イランはホルムズ海峡の完全封鎖に加え、ロシアや中国との防衛協力の正式化、さらには「核抑止力」の保持を公言する段階へ移行すると警告しています。

イランの戦略は単なる軍事的勝利を超え、西アジアの地政学的な景観を根本から変えることを目的としています。ホルムズ海峡において、イラン革命防衛隊の承認を受け、人民元で手数料を支払う船舶のみが通行できる独自の回廊を設置する計画が浮上しています。これにより、イランは年間8000億ドルにものぼる通行料収入を得る可能性があるだけでなく、世界のエネルギー価格の決定権を握ることになります。同時に、アラブ諸国に対しては米国との経済関係の断絶を迫り、1974年以来の米国の財政的覇権を支えてきたオイルマネーの還流、いわゆるペトロダラー体制を根底から崩そうとする動きを見せています。

もしイランがホルムズ海峡と紅海の制圧を維持し続ければ、日本や韓国を含むアジア諸国は、エネルギー供給の安全保障を確保するために、事実上イランの意向に従わざるを得ない「従属国家」になることを強いられるかもしれません。トランプ政権内では、イランのエネルギー網を破壊し、カーグ島などに地上軍を投入する強硬策も検討されているようですが、イラン側もまた、国家の命運を賭けた決定的な結末を求めて階段を上り続けています。中東における米国の軍事的存在感の排除だけでなく、世界の金融とエネルギーの秩序を再編しようとするイランの動きは、アジアの地政学を全く新しい現実へと変えようとしています。

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