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2026-04-02

金本位制復帰なら金価格は?

Big Questions: Is There Enough Gold For a Gold Standard? [LINK]

【海外記事より】アメリカの経済コラムニストであるジョン・ルビノ氏は、通貨制度の歴史的な議論の一つである「金本位制」への復帰が可能かどうかについて興味深い分析を提示しています。多くの読者から寄せられる疑問として、現在のアメリカの国内総生産や通貨流通量に対して、保有する金の価値があまりに小さすぎるため、金本位制を再導入するための金が物理的に不足しているのではないかというものがあります。ルビノ氏はこの問いに対し、理論上は「十分な量の金が存在する」と回答しています。その理由は、金本位制を成立させるために必要なのは、保有する金の絶対量ではなく、その金の「価格」をいくらに設定するかという計算の問題だからです。

金本位制とは、中央銀行が保有する金によって通貨の価値を裏付ける制度です。例えば、通貨発行量の40%を金で裏付けると決めた場合、政府は公定価格に基づいて、市民からの要求に応じて通貨と金を交換することを約束します。これにより、中央銀行が通貨を刷りすぎてインフレが起きれば、人々は通貨を金に換え、市場から通貨が回収されて物価が安定します。逆に景気が停滞すれば金が通貨に換えられ、市場にお金が回ることで経済が活性化します。ルビノ氏は、この制度が持続可能な成長と低インフレをもたらし、中央銀行の過度な権限を抑制する仕組みになると説明しています。

現在の米国でこの制度を導入する場合の具体的な試算が示されています。現在、狭義の通貨供給量であるM1は約19兆ドルです。これに対し、米国の公式な金準備量は約8133トン、つまり約2億6100万オンスです。もしM1の40%を金で裏付けるとするならば、約7兆ドル相当の金が必要になります。この7兆ドルを保有する2億6100万オンスで割ると、金の公定価格は1オンスあたり約2万9000ドルに設定されることになります。現在の金価格を大幅に上回る価格を設定することで、理論上は現在の通貨供給量を裏付けることが可能になるというわけです。

もちろん、こうした移行には大きな痛みが伴うことも指摘されています。ある日突然、政府が金の公定価格を大幅に引き上げれば、ドルの価値は実質的に急落し、現金や国債を保有する人々の資産は目減りします。一方で、金などの実物資産を持つ人々は富を増やすことになり、社会的な混乱が生じる可能性は否定できません。しかし、ルビノ氏は、現在の米国の膨大な債務残高を考えると、従来の金利操作だけでは経済の安定を保つことは難しく、いずれは通貨制度のリセットが避けられない状況にあると述べています。将来的に訪れるかもしれない金融システムの再編において、金が重要な役割を果たすとの見解を示しています。

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