注目の投稿

「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2026-05-17

ミレイ氏擁護派への反論

Against Milei: Full Reply to Philipp Bagus and Bernardo Ferrero - Instituto Rothbard Brasil [LINK]

【海外記事より】オーストリア学派系リバタリアニズムの思想を支持するオスカー・グラウ氏は、アルゼンチンのミレイ大統領を擁護した二人の経済学者、フィリップ・バグス氏とベルナルド・フェレロ氏による批判に対する反論を公開しました。グラウ氏は、ミレイ政権の政策を多角的に検証し、同大統領のこれまでの実績がリバタリアンとしての原則から大きく逸脱していると指摘しています。この記事は、政府債務、金融、外交、財政負担、そして政治戦略の各分野における反論をまとめたものです。

まず政府債務について、擁護派は債務不履行の政治的コストを理由にミレイ氏が債務破棄を行わなかったと主張しますが、グラウ氏はこれを詭弁であると退けます。ミレイ氏は選挙前から債務返済を正当化しており、真の政治的コストとは特権階級の利権を奪うことであると主張します。また、金融政策に関しては、政権擁護派がインフレの沈静化を称賛するものの、実態として通貨ペソのマネタリーベースは前政権を上回る規模で急増しており、強制的なインフレが続いていると分析されています。インフレの鈍静化は、為替管理や生活費高騰に伴うペソ需要の強制的な増加、そして金融システム内に資金を留める操作によるものであり、本質的な通貨の質的向上は見られないと結論付けています。

外交政策においては、ミレイ氏が米国やイスラエルの帝国主義を熱狂的に支持し、北大西洋条約機構(NATO)のグローバル・パートナーへの申請やウクライナへの加担を進めていることから、リバタリアンではなくネオコン(新保守主義)の性質を強く帯びていると批判しています。同大統領がユダヤ系エリートや特定の富豪と緊密に結びつき、リバタリアン運動の最優先課題である反戦の立場を裏切っていることは、運動全体の名誉と目標を世界規模で損なっているといいます。さらに財政面でも、規制緩和による一定の成果は認めつつも、通貨乱発というインフレ税を大幅に増大させており、国民全体の負担は軽減されるどころかむしろ増加していると指摘しました。

政治戦略の観点では、ミレイ氏のアプローチは漸進主義の罠に陥った右派的な機会主義の典型であり、マレー・ロスバードが掲げた「いかなる国家権力の現れも即座に削り取る」という純粋な戦略とは対極にあると述べられています。中央銀行の廃止という公約は果たされず、閣僚の多くは旧来の政治家で占められており、ミレイ氏の知識や思想の普及活動も極めて不十分であると厳しく評価されています。グラウ氏は、自身の過去の評価が寛容すぎたとした上で、現在のミレイ政権の政策は自由市場の理念とは無縁の中央集権的な統制経済の好例であり、擁護派の主張は事実に反するプロパガンダに過ぎないと結んでいます。

0 件のコメント: