Payback: Russia Uses Iran as a Proxy Against the United States - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]
【海外記事より】米国の国際政治学者テッド・ガレン・カーペンター氏は、ウクライナを代理人として利用しロシアを消耗させてきた米国に対し、ロシアが今度はイランを代理人とすることで報復に転じていると指摘しています。第二次世界大戦後、米露両国は世界各地で対立する勢力を支援し、互いに相手の弱みを突く「代理戦争」を繰り返してきました。かつてベトナム戦争ではソ連が、アフガニスタン紛争では米国が、相手側の軍事介入を逆手に取って最小限のリスクで多大な打撃を与えた歴史があります。そして現在、この構図がイランを舞台に再現されようとしています。
カーペンター氏によれば、ロシアはイランでの戦争勃発を受け、ワシントンを翻弄する絶好の機会を得たと考えています。ロシアは即座に食料供給などの経済的結びつきを深め、苦境に立たされるイランの生命線を確保しました。さらに深刻なのは軍事面での支援です。2026年3月の報道では、ロシアが米軍の移動に関する重要なインテリジェンスを提供し、中東の米軍基地を標的にするためのデータまでイラン側に渡しているという証拠が浮上しています。また、高度な軍事用ドローンの供与も進んでおり、ロシアとイランの技術提携は新たな段階に入っています。
こうしたロシアの動きは、米国やNATOがウクライナに対して行ってきた広範な軍事支援に対する鏡像のような報復と言えます。ロシアにとっては、イランを支援することで中東における米国の作戦行動を困難にするだけでなく、NATOの資源を枯渇させるという二重のメリットがあります。イランが米国の攻撃に抵抗する能力を高めれば、米国の武器在庫はさらに消費され、結果としてウクライナへ供給される武器の余力が削られることになるからです。これにより、代理戦争の連鎖はさらに複雑な段階へと突入しています。
カーペンター氏は、こうした過去数十年におよぶ代理戦争の歴史を振り返り、大国同士が互いの無謀な軍事行動を巧みに利用し合ってきたと分析しています。ベトナムでの米国の失策や、アフガニスタンでのソ連の誤算は、いずれも相手側に最小限のコストで戦略的勝利をもたらしました。現在のウクライナとイランを巡る状況もまた、どちらの側にも地政学的な勝利のチャンスがある一方で、壊滅的な失敗を招くリスクを孕んでいます。
同氏は、米国とロシアの両国が、新たな代理戦争に明け暮れるのではなく、互いに利益となる和解を目指すべきであると説いています。しかし、現在のワシントンとモスクワの双方において、そのような賢明な一歩を踏み出すために必要な自制心や知恵が欠如していることを深く懸念しています。終わりなき代理戦争のサイクルは、かつてのベトナムやアフガニスタンの教訓を上書きするかのように、今再び世界を危険な対立へと引きずり込んでいます。
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