Myths and Truths About Milei and Argentina’s Public Debt, by Oscar Grau - The Unz Review [LINK]
【海外記事より】ミレイ大統領率いるアルゼンチンの経済政策について、エコノミストのオスカー・グラウ氏は、ミーゼス研究所に掲載されたマヌエル・ガルシア氏らの見解を批判的に検証しています。論争の核心は、2023年12月の就任時にミレイ氏が公約していた中央銀行(BCRA)の閉鎖を断行すべきだったか、という点にあります。ガルシア氏は、当時のBCRAが抱えていた巨額の利付負債、通称「レリック爆弾」がマネタリーベースの約3倍に達していたことを挙げ、即時の閉鎖はハイパーインフレか金融システムの崩壊を招く危険があったと主張しています。しかしグラウ氏は、ミレイ氏がこの「爆弾」の処理を優先して中銀閉鎖を先送りしたことは、国民の利益よりも銀行エリートの利益を優先した政治的選択であると厳しく指摘しています。
ガルシア氏がミレイ氏の戦略を「秩序ある清算」として評価する一方で、グラウ氏はその実態が中銀の負債を財務省の負債へと付け替える大規模な再編に過ぎないと分析しています。この過程で、2025年8月までにマネタリーベースは4倍に膨れ上がっており、ミレイ氏の政策は依然としてインフレ的であり、債務に依存したものだと述べています。また、ガルシア氏は将来的にインフレが完全に沈静化すると予測していますが、グラウ氏は現在の通貨システム自体が通貨供給量の増大を前提としている以上、そのような期待はアルゼンチンのような国では非現実的であると一蹴しています。
さらに、記事はミレイ氏の「自由主義者」としての資質にも疑問を呈しています。ガルシア氏は2025年になっても中銀閉鎖が進まない現状に対し、ミレイ氏が「言い訳」を始めていると批判し始めましたが、グラウ氏に言わせれば、ミレイ氏には最初から中銀を閉鎖する意志などなかったという結論に至ります。中銀総裁が「自分の任期中に中銀を閉鎖することはない」と明言していることからも、ミレイ政権が長年続いてきた政府による通貨独占と介入の仕組みを維持する決断をとうの昔に下していたことは明らかだと主張しています。
結論として、グラウ氏はミレイ氏を「右派のエスタブリッシュメント政治家」と位置づけ、マレー・ロスバードら真の自由至上主義(リバタリアニズム)の理想とはかけ離れた存在であると結論づけています。ミレイ氏が演説で掲げる理想と、実際に彼が行っている増税や債務管理、通貨発行といった国家主義的な政策との間には埋めがたい溝があります。中銀の閉鎖という公約は、今や果たされない約束となりつつあり、アルゼンチン国民は依然として政府による通貨抑圧の中に置かれたままであるというのが、グラウ氏による冷徹な現状分析です。
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