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2026-05-09

アフリカで脱ドル化拡大

De-Dollarization Alert: Mozambique Considering Converting Dollar Debt to Yuan Debt [LINK]

【海外記事より】モザンビーク政府が、中国に対して抱える約14億ドルの債務を、米ドル建てから人民元建てへと転換することを検討しています。この記事の著者であるマイク・マハリー氏は、この動きを世界で加速する「脱ドル化」の新たな兆候であると指摘しています。深刻な流動性不足に直面しているモザンビークに対し、国際通貨基金(IMF)などは債務状況が持続不可能であると警告しており、中国側からの提案を受けて今回の再編案が浮上しました。同様の動きは他のアフリカ諸国でも見られ、昨年にはケニアが50億ドルの債務を人民元に切り替えました。エチオピアやザンビアも通貨スワップや人民元での支払いを検討しており、アフリカ全域で中国による通貨の国際化戦略が着実に浸透しています。

世界全体で見れば、外貨準備高に占める人民元の割合は依然として2%未満であり、50%を超える米ドルとは大きな開きがあります。しかし、かつては考えられなかった「人民元による取引」が現実のものとなり、少しずつそのシェアを広げている事実は無視できません。マハリー氏は、世界が単一の基軸通貨による支配から、複数の通貨とゴールドが重要な役割を果たす「多極的」な金融システムへと向かっているとの見解を示しています。実際、中央銀行による金準備の急速な拡大は、既存の基軸通貨に対する信頼の分散を反映したものです。ドルの支配的地位がすぐに揺らぐことはありませんが、多様化を求める各国の動きは着実な潮流となっています。

こうした「脱ドル化」の進展は、米国経済にとって決して小さくないリスクを孕んでいます。米国が巨額の財政赤字を抱えながら多額の借り入れや支出を続けられるのは、ドルが世界準備通貨として特別な地位にあるからです。世界中でドルに対する根強い需要があるからこそ、米連邦準備制度(FRB)のインフレ政策による悪影響が吸収され、国債市場も安定しています。しかし、もし海外投資家によるドルや米国債への需要が減退すれば、ドル安が進行し、金利は急騰することになります。たとえ世界が完全にドルを放棄しなくても、需要がわずかに低下するだけで、米国国内には激しい物価上昇が生じ、国民の購買力は削がれてしまいます。

現在、ドルは相対的に強含みで推移しており、目立った経済危機も起きていません。それにもかかわらず、ゴールドの価格がドルに対して歴史的な上昇を見せているのは、ドルという通貨に対する長期的な信頼が低下し始めているためだとアナリストは分析しています。モザンビークのような国々がドルから離れる選択をすることは、単なる一国の債務問題にとどまりません。それは、世界経済の構造が静かに、しかし確実に変化していることを象徴する出来事と言えます。ドルへの依存を減らそうとする各国の模索は、米国の特権的な経済基盤を根底から揺さぶり、将来的に通貨危機を引き起こす火種となる可能性を秘めています。

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