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2026-05-08

訪中とボーイング

Wrapped in a Boeing: will Trump’s China visit include another aircraft deal? | South China Morning Post [LINK]

【海外記事より】トランプ大統領の二度目となる訪中を控え、米国航空機大手ボーイングの命運が注目されています。米イラン戦争によるエネルギー供給の混乱や、不安定な世界経済の真っ只中で行われる今回の訪問において、10年近く途絶えていた中国によるボーイング機の大型発注が復活するかどうかが、経済・外交両面の焦点となっています。かつて上海航空は、2017年のトランプ大統領初訪中の際の「ボーイング・ギフト」と呼ばれる大型契約を背景に、787ドリームライナーなどの最新鋭機で急成長を遂げましたが、パンデミックや737MAXの安全性問題、そして米中関係の冷却化という「完璧な嵐」に襲われ、現在は機体の老朽化という課題に直面しています。

今月予定されている首脳会談に向けて、ボーイングのケリー・オートバーグCEOも同行するとの情報があり、市場では500機規模の737MAXや数十機のワイドボディ機を含む大型受注への期待から、同社の株価が上昇しています。しかし、交渉の行方は依然として不透明です。アナリストによれば、交渉は進展しているものの、最終的な決定は首脳会談の直前まで持ち越される可能性が高いとされています。オートバーグCEOは、中国側が懸念していたスペアパーツの問題については「良好な解決策」に達したと述べる一方で、政治的な後押しがなければ早期の契約締結は困難であるとの認識を示しています。

中国側は今回の交渉において、これまでの「一括購入」という政治的な形式から離れ、各航空会社が個別にボーイングと交渉することを認めるなど、一定の柔軟性を見せています。これは、両国が航空機の取引を外交的なレバレッジ(交渉材料)として利用しつつも、半導体や希少金属、イラン情勢といったより重要度の高い問題から航空機問題を切り離そうとする意図の表れとも指摘されています。中国国内では、国産旅客機C919の導入が進んでいるほか、安全面や品質への根強い懸念、さらにはボーイング側の生産遅延といった実務的なハードルも存在します。

今回の訪中で契約が成立しなかったとしても、年内に予定されているAPECやG20といった国際会議の場での進展も視野に入れられています。米国の通商代表部は、巨額の貿易赤字を解消するために航空機のほか、農産物や医薬品の輸出拡大を狙っています。経済ライターの視点から見れば、今回のボーイングをめぐる動向は、単なる一企業の商談を超え、激動する国際情勢下で米中双方がどこまで実利的な妥協点を見出せるかを占う、重要な試金石になると言えるでしょう。

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