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2026-05-10

米経済の三重苦

When the Persian Gulf Supply Shock Meets the Warsh Fed: Stagflation and the Coming AI Bubble Bust - LewRockwell [LINK]

【海外記事より】元米予算管理局長のデビッド・ストックマン氏は、トランプ政権によるイランへの軍事介入が招いた「ペルシャ湾供給ショック」と、新たに連邦準備理事会(FRB)議長への就任が有力視されるケビン・ウォーシュ氏の金融政策が衝突することで、米経済が深刻なスタグフレーションに陥ると警告しています。現在、米国内のトラック輸送に不可欠なディーゼル燃料の価格は、年初から56%も急騰しました。年間換算で約950億ドルのコスト増となり、このエネルギーショックが経済の隅々にまで波及し始めています。

ストックマン氏は、パウエル現FRB議長がインフレを「一時的」と見誤り、実質金利をマイナス圏に放置して投機を煽った失策を厳しく批判しています。対照的に、ウォーシュ氏が率いる次期FRBは、1970年代の失敗を繰り返さないために、供給ショックによる物価上昇を容認せず、通貨の番人として「健全な通貨」政策を断行すると予測しています。これは、高騰するエネルギー価格に対して、FRBが需要を抑制するデフレ的な圧力をかけることを意味し、結果として経済活動は激しく収縮することになります。

現在の米経済を支えているのは人工知能(AI)関連の投資ブームですが、ストックマン氏によればこれも「砂上の楼閣」に過ぎません。2025年の企業設備投資の伸びの82%はAIとデータセンター関連によるもので、それ以外の実体経済における投資は、実質ベースでマイナス0.4%と既に縮小しています。AIバブルによって覆い隠されていた景気後退の兆候は、燃料価格の暴騰という直撃弾を受けて一気に表面化するでしょう。

これまで、市場が混乱に陥るたびに中央銀行は資金を供給して救済してきましたが、ウォーシュ体制下のFRBにそのような支援は期待できないと同氏は述べています。ペルシャ湾からの供給ショックが経済を直撃する一方で、AIバブルが崩壊し、さらにはFRBによる金融引き締めが追い打ちをかけるという「三重苦」の時代が到来しようとしています。トランプ政権がもたらした不必要な紛争が、米経済をスタグフレーションと大収縮の崖っぷちへと追い込んでいるというのが、ストックマン氏による極めて悲観的な予測です。

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