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2026-05-10

帝国の虚飾

Trump Goes to China, But Iran Holds All the Cards - LewRockwell [LINK]

【海外記事より】イランのアラグチ外相がロシアと中国を相次いで訪問したことは、ユーラシア統合の原動力となる「ロシア・イラン・中国(RIC)」の三角形がかつてない強固なものになったことを象徴しています。中国の王毅外相は、米国とイスラエルによるイラン攻撃を「非合法」と断じ、イランが国家の主権と安全を守ることを全面的に支持する姿勢を鮮明にしました。これは、北京がテヘランを主要なグローバル・パワーとして正式に認め、その後ろ盾になるという強力なメッセージです。北京はトランプ政権の威圧的な外交とは対照的に、対等な外交と主権の尊重を重視しており、イランが核兵器を開発しないという約束を高く評価しつつ、平和的な原子力の利用権を認めています。

ホルムズ海峡の情勢についても、中国は米国の封鎖に終止符を打つことを求めつつ、イランが提唱する海峡の新たな法的枠組みを尊重する意向を示しています。中国にとってこの海峡はエネルギー輸入の生命線であり、イラン主導の「地域安全保障アーキテクチャ」を支持することで、米国という「混乱と嘘の帝国」を排除した、西アジアの新しい秩序を構築しようとしています。王毅外相は、イランの正当な主張への支持、ペルシャ湾からの米軍基地の撤退、そして戦後のイラン復興への積極的な参加という3つの柱を明確にしました。これは、イランの戦略的資産としての「抵抗」を北京が十分に理解し、それを政治的資本として交渉のテーブルに乗せることを認めたことを意味します。

経済面では、米国の制裁を無効化するための「金融冷戦」がRICの間で激化しています。イランは2012年に国際決済ネットワーク(SWIFT)から追放されましたが、現在では人民元、ルーブル、ルピーなどを用いた独自の貿易決済体系を構築しています。特に対中貿易の決済は人民元やバーター取引で行われ、ロシアの決済システムとも連結しています。ホルムズ海峡で新たに導入された通行料の徴収システムは、イランの銀行のみが徴収権を持つ形となっており、海峡を通過するすべての国がイランの金融システムを利用せざるを得ない状況を作り出しています。これは、米国によって凍結された資産の回収や、戦後復興の資金源として機能するだけでなく、欧米に制裁の解除を迫る強力なカードとなります。

トランプ大統領は北京を訪問しますが、そこで直面するのは、中国が米国の依存する産業サプライチェーンや希少資源を完全に掌握しているという現実です。米国法の域外適用はもはや中国国内では通用せず、米国の構造的な脆弱性が浮き彫りになっています。中国は囲碁のように、長年かけて盤面を有利に形作ってきました。米国がイランとの消耗戦で無力さを露呈する一方で、イランは西アジアでの優位性を固めつつあります。独自のイデオロギーと社会の団結、そして「野蛮な侵略者」を兵站の崩壊によって破産させるという戦略が、驚くべき地政学的な逆転劇を生み出しています。カオスと海賊行為を繰り返す帝国がRICの現実に直面し、その虚飾が剥がれ落ちようとしています。

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