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2026-05-10

独撤兵に一分の理

One Cheer for Trump’s Germany Troop Withdrawal - The American Conservative [LINK]

【海外記事より】トランプ大統領がドイツ駐留米軍の削減を表明したことについて、ケイトー研究所のダグ・バンドウ氏は、「正しい政策を誤った理由で行っている」と評しています。トランプ氏は、ドイツのメルツ首相が米国のイラン攻撃を「無謀で世界経済を混乱させている」と批判したことに激怒し、その意趣返しとして5000人の兵力削減を打ち出しました。しかし、これは国家の安全保障戦略に基づく決断ではなく、単なる個人的な憤慨によるものです。トランプ氏はイタリアやスペインに対しても、自身の軍事行動を支持しないことを理由に同様の脅しをかけていますが、これは米軍を国防の組織としてではなく、自身の私兵や護衛隊のように扱っている証左といえます。

トランプ氏は以前から欧州の「安保タダ乗り」を批判してきましたが、1期目の4年間、そして再選後の現在に至るまで、実質的な軍事負担の軽減はほとんど進んでいません。それどころか、史上最大規模の軍備増強を推し進め、イランとの紛争を泥沼化させることで、結果として米国の納税者に多大なコストを強いています。バンドウ氏によれば、トランプ氏には一貫した外交哲学がなく、オバマ政権の核合意を代替案なしに破棄したのも、イランが自身の要求に屈しないことに腹を立てて戦争に突き進んだのも、すべては個人的な感情が優先された結果です。その不適切な軍事介入の代償を、今や世界全体が支払わされている状況にあります。

一方で、欧州諸国の側にも問題はあります。米国による「軍事的な生活保護」に依存し続けることで、自国の防衛に必要なコストを社会福祉へと回し続けてきました。欧州の軍事能力には依然として大きな欠陥があり、米国の戦力を自前で代替するには約1兆ドルの費用がかかると試算されています。しかし、欧州諸国は再武装に向けた抜本的な措置を先延ばしにし、トランプ氏の強引な貿易要求に屈することで、現状の防衛補助金にしがみつこうとしています。トランプ氏もまた、安保上の優位性を利用して同盟国から資金を搾り取ることには熱心ですが、米国の若者の血が流れるリスクを減らすことには無頓着です。

国防総省の本来の役割は国内の防衛であり、他国のための福祉であってはなりません。トランプ氏は「アメリカ・ファースト」を掲げながらも、実際にはイスラエルの政治的利益のためにイランとの愚かな紛争を開始し、アメリカ国民の安全を二の次にしています。今回のドイツ撤退が、結果として米国の過剰な軍事介入を縮小させる一歩になるのであれば歓迎すべきことですが、それが単なる大統領の機嫌次第で決まるようでは、真の国家利益は遠のくばかりです。絶対的な権力は腐敗するという格言通り、自身の虚栄心を満たすために世界を翻弄し続けるトランプ氏の姿勢が、米経済と国際秩序に致命的なダメージを与えようとしています。

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