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2026-05-12

リバタリアンの神話と真実

Rothbard, Myth and Truth About Libertarianism [LINK]

【海外記事より】米国の高名な経済学者であり哲学者でもあるマレー・ロスバード氏は、急速に普及するリバタリアニズム(自由至上主義)の本質を説き、特に保守主義者の間で根強い誤解や「神話」を冷静に分析しています。

同氏によれば、最大の誤解の一つは、リバタリアンが人間を他者から完全に隔絶された「原子的な個」と見なしているという主張です。リバタリアンは個人の権利を重視しますが、人々が互いに影響を与え合い、自発的に協力することを否定してはいません。反対しているのは、国家による強制的な「擬似協力」であり、自由な説得や交流はむしろ社会の根幹であると考えています。また、リバタリアンは享楽主義者であるという偏見に対しても、リバタリアニズムはあくまで「暴力の行使」に関する政治理論であり、個人の美徳やライフスタイルを規定するものではないと反論します。個人の生活をどう送るかは各人の自由であり、伝統的な道徳を重んじる者もいれば、そうでない者も共存できるのがこの思想の核心です。

道徳原則を欠いているという批判について、ロスバード氏はむしろリバタリアンこそが普遍的な道徳を厳格に適用しているのだと主張します。多くの人が「殺人は殺人であり、窃盗は窃盗である」という倫理を持ちながら、政府が行う場合だけは「国家の理」として例外を認めがちです。しかし、リバタリアンは政府に対しても二重基準を許さず、いかなる組織による暴力も不正であると説きます。また、美徳とは自発的な選択の結果としてのみ価値を持つものであり、銃を突きつけられて強制された行動に道徳的な価値は宿りません。したがって、国家が道徳を強制することは、皮肉にも人々から「自らの意志で道徳的である機会」を奪い、倫理を衰退させる結果を招くと指摘しています。

リバタリアニズムが、人間を「完璧に善い存在」あるいは「完璧に賢い存在」と想定しているという「ユートピア的」な見方も誤りです。ロスバード氏は、人間は善悪が混ざり合った存在であるからこそ、悪人が合法的に略奪を行い、権力を振るうことができる「国家」という装置を制限すべきだと説きます。権力者が常に善良であるという保証はなく、むしろ権力という誘惑が悪しき傾向を助長するからです。また、すべての人が常に最善の判断を下せると信じているわけでもありません。自由市場には専門家のアドバイスを仰ぐ仕組みが備わっており、政府の専門家とは異なり、市場の専門家は顧客に利益をもたらさなければ淘汰されるという健全なインセンティブが働いています。ロスバード氏は、リバタリアニズムが人間を改造しようとする社会主義的な思想とは異なり、ありのままの人間にとって自由こそが最も道徳的で効果的なシステムであるという事実を強調しています。

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