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2026-05-12

金購入、自粛要請の理由

India calls on citizens to stop buying gold as Asia scrambles for energy amid Iran war - ABC News [LINK]

【海外記事より】ロイター通信などが報じたところによれば、イランでの紛争激化に伴うエネルギー危機を受け、インドのモディ首相は国民に対し、金(ゴールド)の購入自粛を含む異例の呼びかけを行いました。現在、アジア各国はエネルギー価格の高騰による外貨準備高の減少という深刻な課題に直面しています。インド政府は、燃料の節約や在宅勤務の推奨、さらには輸入制限など、多岐にわたる対策を急いでいます。モディ首相は、14億人の国民に対し、パンデミック時のような在宅勤務やオンライン会議の活用、公共交通機関の利用を促しました。これらはすべて、現在の危機的状況下で「外貨を節約する」という強い危機感に基づいた要請です。

特に注目されるのは、インドで結婚式などの祝事の際に大量に消費される金の購入を控えるよう求めた点です。金は輸入に頼る部分が大きく、その購入を抑えることが国家の経済を守ることにつながると首相は強調しています。また、電気自動車への移行推進に加え、農家には化学肥料の使用を半減させるよう求め、家庭には食用油の消費削減を呼びかけるなど、国民の日常生活に踏み込んだ要請を行っています。こうした行動を、首相は健康維持だけでなく「愛国的」な振る舞いであると位置づけています。インド政府は現時点でガソリンなどの小売価格引き上げを抑えていますが、その分、国家財政への圧力は増しており、国民一人ひとりの節制が不可欠な状況となっています。

アジア全域に目を向けると、状況はさらに深刻です。ペルシャ湾からの原油出荷の85%を消費するアジア諸国では、ホルムズ海峡の混乱により4月の原油輸入量が急減しました。パキスタンやバングラデシュ、スリランカなどは、多額の補助金でエネルギー価格を抑えてきたため、世界的な価格高騰の影響を最も強く受けています。例えばパキスタンは、電力危機を回避するために市場価格を大幅に上回るコストを支払って液化天然ガスの確保に奔走しています。こうした中、ベトナムやタイ、フィリピン、スリランカなどは、不足するエネルギーを補うためにロシア産原油の調達を積極的に検討し始めました。

一方、中東への依存度が極めて高い日本は、米国からの原油購入を増やしています。しかし、米国からの輸送は中東に比べて倍近い時間がかかるため、スポット価格に加えて多額の輸送コストを支払うという厳しい選択を迫られています。インドネシアもロシアから年内に1億5000万バレルの原油を購入する計画を立てるなど、アジア各国は自国の経済を保護するために、供給源の確保と国内の需要抑制という両面で必死の調整を続けています。モディ首相が国民に求めた「集団的な自制」は、まさにアジア全体が直面しているエネルギー危機の深刻さを象徴しているといえるでしょう。

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