The Four Light Bulbs Saving AI - Energy & Capital [LINK]
【海外記事より】米国のエネルギー投資メディア「エナジー&キャピタル」の編集長を務めるキース・コール氏は、1951年にアイダホ州の砂漠で世界で初めて原子力による発電に成功した「4個の電球」のエピソードを引き合いに出し、現代のAI革命を支える唯一の鍵は原子力発電であると論じています。現在、米国では第3次湾岸戦争の影響でエネルギー価格が不安定になる中、それとは別の巨大な電力危機が静かに忍び寄っています。その正体は、AIの普及に伴うデータセンターの爆発的な電力需要です。
ローレンス・バークレー国立研究所の予測によれば、米国のデータセンターによる電力消費量は2028年までに580テラワット時に達し、全米の電力需要の約12%を占める見通しです。AIの基盤となるGPUクラスターは、鉄鋼工場に匹敵する膨大な電力を、24時間365日休むことなく消費し続けます。石炭火力発電の廃止が進み、天候に左右される風力や太陽光ではこの安定した基盤電力を賄いきれない中、コール氏は、かつて4個の電球を灯した原子力こそが、この難局を打開できる唯一の技術であると強調しています。
この事実にいち早く気づいたIT大手、いわゆる「ビッグテック」はすでに行動を開始しています。マイクロソフトは2024年に、かつて事故を起こしたスリーマイル島原発の運転再開に向けて、市場価格の約2倍という異例の高値で20年間の電力購入契約を締結しました。アマゾンもまた、原子力発電所に隣接するデータセンター・キャンパスを巨額で買収し、グーグルやオラクルも次世代の小型モジュール炉(SMR)からの電力調達を次々と発表しています。これら4社が2026年5月までに確保した原子力発電量は約6.4ギガワットに上り、これは大型原子炉6基分に相当する規模ですが、米国では過去10年以上、大型炉の新規着工は行われていません。
こうした需要の急増に対し、燃料となるウランの供給網は極めて深刻な不足状態に陥っています。世界生産の4割以上を占めるカザトムプロム社が生産目標に届かず、ニジェールでのクーデターやロシアへの禁輸措置といった地政学的リスクが供給不足に拍車をかけています。2026年の世界のウラン需要に対し、鉱山からの供給は年間4,000万ポンドも不足すると予測されており、ウランのスポット価格はすでに急騰しています。コール氏は、この構造的な電力不足とウランの供給不足はまだ市場に十分に織り込まれていないと指摘し、機関投資家が群がる前に、核燃料や原子炉の技術を持つ小規模な企業に注目すべきであると、投資家としての冷静な視点で提言しています。
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