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2026-04-13

米消費者への「爆撃」

The Market Law of One Price – How the Donald Bombed Energy Consumers, Too - Antiwar.com [LINK]

【海外記事より】トランプ大統領がネタニヤフ首相の誘いに乗り、イランに対して全面的な軍事攻撃を開始したことで、エネルギー市場は混迷を極めています。全米のガソリン価格が1ガロン4ドルを突破し、さらなる上昇が見込まれる中、大統領は必死に事態の収拾を図ろうとしています。しかし、彼が打ち出した「アメリカは中東からの石油輸入に依存していないため、ホルムズ海峡の封鎖は他国の問題だ」という論理は、市場の現実を無視した大きな誤解であると、元米予算管理局長のデイビッド・ストックマン氏は指摘しています。

現代のエネルギー市場には「一物一価の法則」が存在します。デジタル化された今日の市場では、物理的な石油の流れ以上に、世界的な供給と需要のバランスを反映した価格情報が瞬時に共有されます。もし欧州やアジアで石油価格が高騰すれば、裁定取引、いわゆるアービトラージが働き、割安な米国内のエネルギーも輸出へと回され、最終的に世界の価格は均衡します。つまり、アメリカがエネルギー自給を達成していても、世界的な価格高騰の影響を100%受けることになるのです。

具体的にデータを見ると、2025年のアメリカの石油・ガス生産量は日量4110万バレル(石油換算)に達し、国内需要の3630万バレルを上回っています。この余剰分が輸出されることで、国内価格は世界市場と直結しています。特に天然ガス市場では、イランによるカタールの液化天然ガス(LNG)施設への攻撃で欧州の価格が急騰しました。現在、米国内のガス価格は欧州のスポット価格のわずか12%程度という極端な格差が生じており、市場原理によって米国のガスは急速に海外へ引き寄せられています。この輸出の加速は、やがて米国内の供給を絞り、一般家庭の光熱費を押し上げる結果を招きます。

トランプ大統領は、アメリカを世界市場から切り離された「安価なエネルギーの島」にできると信じているようですが、それは妄想に過ぎません。2026年初頭に1バレル60ドルだった原油価格は、紛争によって100ドルを超え、それに連動して米国内のガソリン価格も上昇し続けています。結局のところ、世界最大の供給拠点の一つであるペルシャ湾の安定を自ら破壊した以上、その代償として米国の消費者が高価なエネルギーを買い支えることになるのは避けられない事実なのです。

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